■高級ミニバンのパイオニア「日産・エルグランド」はそろそろFMCに期待したい!
1997年のデビュー以来、日産のフラッグシップミニバンとして人気を獲得してきたエルグランド。昨今は“高級ミニバンといえばアルファード”という図式が定着しているが、高級ミニバンを開拓したのはエルグランドに他ならない。
そのコンセプトは“最高級新世代1BOX”。
圧倒的な存在感を主張するスタイリング、快適で広々としたファーストクラスの移動空間、最高級というコンセプトに恥じない優れた走行性能、クラストップレベルの高い安全性と環境への配慮など、初代エルグランドはそのすべてが斬新であった。
受注台数も発売後1カ月で5000台を超え、順調な立ち上がりをみせた。
2002年5月には2代目が、2010年8月には3代目が登場。
威風堂々たるスタイリング、特別感・最高級・最上質を実感できる室内空間、クラストップレベルの燃費性能、考え抜かれた装備と取り回しの良さなどが好評を博した3代目は発表から2週間で1900台の月販目標台数を上回る累計6386台を受注した。
そんな3代目に搭載されるエンジンは、デビュー当初から現在に至るまで3.5リッターと2.5リッターの2種類を設定。
なかでも、3.5リッター車に搭載された最高出力280ps&最大トルク35.1kgf・mを誇るV型6気筒DOHCのVQ35DE型エンジンは、専用チューニングによってクラストップレベルの出力特性と街乗りから高速走行まで胸のすくような走りを実現している。
また、2代目までは駆動方式にFRを採用していたが、3代目は最適チューニングを施した低重心の新プラットフォームを採用したFFに刷新されたこと、さらには高剛性ステアリングや高性能ショックアブソーバーなどの組み合わせにより、安定感の高いフィーリングや高い直進性も実現。
“走らせても楽しい高級ミニバン”であることも事実だが、デビューからもうすぐ14年……。“そろそろ”と噂されるフルモデルチェンジにも期待したい。
■ツーリングワゴンというカテゴリーを開拓・確立した「スバル・レガシィ」
1985年から次世代に向けた企業戦略のもとに研究実験センターの建設をはじめとする生産体制の大幅な刷新を図ったスバル。それと時を同じくしてクルマづくりを一新するプロジェクトを発足し、レガシィの先行開発はスタートした。
そして、“気持ちのよい走りができるクルマ”を目指すべくエンジン・車体をゼロベースで開発し、その後30年という長きにわたってスポーツエンジンとして活躍することになるEJ20型水平対向エンジンを搭載したレガシィが1989年2月にデビューを果たす。
当時の日本はバブル絶頂期にあり、先述のシーマをはじめとするハイソカーが圧倒的な人気を博していたが、スバルはクルマの本質である走りを追求したドライバーズカーとしてレガシィを市場に投入。
発売直前の1989年1月には19日間連続で10万kmを走り続ける世界速度記録に挑戦し、平均時速223.345km/hを達成することで性能の高さを世界に知らしめたが、そんなレガシィがブレイクする契機となったのは、同年10月に追加設定されたGTの存在があげられる。
ワゴン専用のデザインを採用したGTは200psの最高出力を発生する水平対向4気筒DOHCターボエンジンをはじめ、ビスカスLSD付センターデフ式フルタイム4WD、リアビスカスLSD、電子制御フルオートマチック(E-4AT)、4センサー4チャンネル制御方式ABSなどの充実装備で高速ツーリングワゴンというコンセプトを体現。
その当時、RVブームに沸いていたこともあって高い人気を獲得し、ステーションワゴンという新たな市場を開拓した。
現在は下火傾向にあるステーションワゴンだが、その地位を確立したレガシィは2014年10月に行われたフルモデルチェンジでツーリングワゴンが廃止に……。それまでレガシィのツーリングワゴンが担ってきた役割はレヴォーグに引き継がれた。
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