■ボーイズレーサーという言葉がハマる「トヨタ・スターレット」が牽引したホットハッチシーン
ホットハッチカテゴリーの先駆けとなった国産車といえば、1974年に登場した初代シビックRSを思い浮かべる人も多いだろうが、1980年代から1990年代にかけて迎えることになる全盛期において忘れてならない1台こそ、1984年10月にすべてを一新した3代目が登場したスターレット(Siリミテッド)ではないだろうか?
駆動方式をFRからFFに変更するとともに、FF化のメリットを活かして室内スペースを大きく拡大した3代目のスターレット。
外観ではスポーティさを強調したブラックとシルバーの2トーンを採用したボディカラーやフロントグリルと一体感のある異形ヘッドランプなどがトピックだったが、それ以上に注目を集めたのが“かっとび”と称された元気な走りであった。
エンジンは混合気をより効率良く吸入・圧縮・燃焼させてすみやかに排出するべく、吸気2・排気1というトヨタ初となる3バルブ式のクロスフローエンジンを採用。
最高出力は93psながら高回転型のカムシャフトやバルブを採用することで、低速から一気に7000回転付近まで吹き上がるスーパーレスポンスを達成するとともに、7.74kg/psというパワーウエイトレシオを実現。
また、エンジンのパワーを最大限に引き出す新世代サスペンションのペガサスを組み合わせることでキビキビと軽く、そして路面に吸い付くような走りも披露した。
その後、1986年1月にはインタークーラー付ターボチャージャーを備えたターボモデルが登場。過給圧を2段階に切り替えることでローモードでは91ps、標準モードでは105psを発生する2モードターボシステムなるユニークな機能も搭載されていた。
まさに“ボーイズレーサー”と呼ぶに相応しい3代目スターレットが、1980年代から1990年代にかけて全盛期を迎えたホットハッチシーンを牽引したのは間違いない。
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