■どんな層に売りたいのか不明だった2台
●三菱 初代プラウディア(販売期間:約1年)
ベテランの読者なら、三菱のデボネアというクルマを覚えている人も多いはず。
1964~1986年の22年に渡って販売された初代デボネアは、三菱が誇る超ロングセラーの4ドアセダンだった。
そのデボネアと対極的な運命を辿ったのが、同じ三菱から2000年2月に発売されたプラウディアだ。
しばらく空白の期間はあるものの、デボネアの後継車種にあたるプラウディアは、韓国のヒュンダイ(現在はヒョンデ)と共同開発した高級4ドアセダンであり、トヨタのクラウンや日産 シーマがライバルになった。
エンジンは4.5リッターV8と3.5リッターV6の2タイプが用意され、駆動はFFのみという、大柄な4ドアセダンにしては珍しい構成が採用された。
プラウディアの兄弟車にあたるディグニティは皇族の公用車に使われるなどで話題になったが、強力なライバルのいるプラウディアは販売不振で、三菱の重役専用車とまでいわれる始末。
そんな初代プラウディアは1年という短い命を終えることになるが、2012年には日産 シーマ/フーガのOEM車で復活している。
●ダイハツ ソニカ(販売期間:3年)
軽自動車は、その性質上実用性を重視したモデルが多いが、ここで紹介するソニカは、軽でありながらスペシャルティカーのコンセプトを盛り込むという少々毛色の変わったクルマだった。
ダイハツ ソニカの登場は2006年、比較的高めの車高を持つモデルが多い軽自動車のなかにあって、1470mmというローハイトフォルムが注目された。
内容も豪華であり、3グレードの全モデルに660ccターボエンジンが搭載され、ミッションはCVT、駆動方式はFFと4WDをラインナップしていた。
シートも従来の軽自動車のイメージを覆す上質なものを採用するなど、すべてにおいてスペシャルティ感を持ったソニカは、マスコミからも高い評価を得ていた。
だが、マーケットが軽自動車に求めていたものはそれではなかった。
メーカーの狙いとは裏腹にソニカのセールスは伸びず、2009年には製造販売が打ち切られてしまう。
「音速のように速い」という意味の車名を持つソニカだが、皮肉なことに市場から音速でフェードアウトしていった。
今回は図らずも短命に終わったクルマを紹介したが、早期に退場した原因がクルマそのものにあるのではないことも多い。
だからこそ、たまにはこうしてそのクルマのことを振り返ってみるのがせめても供養になるのかもしれない。
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コメント
コメントの使い方プラウディアもソニカも、今では熱狂的ファンに愛されて手放されない個体ばかりで、中古にはそんな人でさえも見放したジャンクしかない状態
平凡で見向きもされない車は救いよう無いけれど、個性が強かった故の車は、刺さって大事にされてる場合もあり