最高出力1ps ホイール1インチ…… ぶっちゃけそんなに違うんか? クルマ界 いろんな「1」の違い【10年前の再録記事プレイバック】

■ATの「1速の数」の違い

プレマシーのSKYACTIV搭載車のATは6速を搭載
プレマシーのSKYACTIV搭載車のATは6速を搭載

●トヨタのクラウンなどの8速AT、日産のフーガなどの7速ATの性能の差は大きいの?

 7速と8速の差は乗っていても“ほぼ”体感できない。

 走り出したらあっという間に3速くらいまで入っちゃってますから。そもそも多段化はアメリカなどで表示される「高速燃費」をよくするために有効。

 パワーに余裕あるクルマだとTOPギアのレシオを高くしたほうが燃費よくなるのだった。そうなると街中燃費モードで使えるギアが少なくなってしまう。5速ATで巡航用に1速分を確保すると、燃費計測は4速しか使えない。

 したがって今やパワーのないクルマでも6速が最低レベル。だからこそSKYACTIVは6速ATになった(5速と6速の差は明確)。

 トルクに余裕あったり、過給エンジンであれば低い回転域を使いたいため、7速程度のギアが欲しくなる。7速AT、現在パワフルなエンジン積むクルマの標準的なギア段数といっていい。

 8速になればどうか? 文頭に書いたとおり「体感できない」。燃費の差も2~3%。これまた走り方による差で上下しちゃいます。(国沢)

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■乗車定員「1名」の差

トヨタ ウィッシュ
トヨタ ウィッシュ

●ウィッシュなどのミニバンは7名乗車と6名乗車があるが、その違いは大きいか?

 ウィッシュで最上級の2.0Zは、2列目シートがセパレートタイプ。

 両側にアームレストが付いて座り心地が向上し、中央は通路になるが、ベンチタイプと違って3名掛けは不可能だ。なので乗車定員が7名から6名に減る。

 いっぽう、ヴォクシーは2列目がベンチタイプでも、乗車定員はウィッシュよりも1名多い8名だ。3列目に充分な幅があり、2列目と同様に3名が並んで座れる。だから1名増えたが、重要性は使い方次第で変わる。(渡辺)

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■開発者にとっての「1の違い」とは?

「置かれた状況によって、1という数値の持つ重さは大きく変わってきます」とは、元初代レクサスIS開発責任者の福里健氏。

「例えば、全幅が1797.5mmのクルマは0.5mm違うだけで、表記は5mm刻みのため、1800mmになるか1795mmになるか大きい違いがあります。国内販売だったら立体駐車場に入れやすく感じる1795mmにしたいし、海外で売るなら1800mmにしたい。

そんな場合に、1mmをどっちに振り分けるのか、凄く難しい決断が必要になってきます。このように小さな差がすごく大事な場合がありますが、逆にどうでもいい場合もけっこうあります」

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■燃費差「1.0km/L」の同車種はどっちが買いなのか?

●レクサスGS350 Fスポーツ(9.8km/L) VS レクサスGS250 Fスポーツ(10.8km/L)

レクサスGS
レクサスGS

 燃費や経済性を気にするなら、低価格で手に入るISハイブリッドを選ぶべきだ。むしろ気にすべきは90万円の価格差。GSは2.5Lと3.5Lのエンジン差額を約80万円としている。Fスポーツの差額は90万円だが、3.5Lには4輪操舵のLDHが備わる。この高度な機能が10万円で付けば安い。燃費の差ではなく、LDHの割安感で350Fスポーツが買い得だ。

●日産ラフェスタハイウェイスターG(16.2km/L)VS 日産ラフェスタハイウェイスターGスプレモ(15.2km/L)

日産ラフェスタ
日産ラフェスタ

 Gは15インチタイヤだが、Gスプレモは17インチで1km/L低下した。Gに16インチをオプション装着しても1km/L下がる。Gスプレモは26.1万円高いが、専用の17インチタイヤを履いてシートは本革。買い得ではないが、最上級が欲しいユーザーには燃費が悪化しても魅力だろう。ただし17インチは乗り心地が硬い。ベストなのはGに16インチを履くことだ。

●トヨタヴィッツ1.0F(20.8km/L)VS トヨタヴィッツ1.3Fスマート・ストップパッケージ(21.8km/L)

トヨタヴィッツ
トヨタヴィッツ

 燃費以前にヴィッツの1Lはダメ。車両重量に対して動力性能が不足し、ノイズも騒々しい。登坂路の多い地域の販売店では、顧客に1Lは避けるよう伝えている。価格差をF同士で比べると9.5万円だが、1Lは後席が分割可倒にならず実質7.5万円の違い。1気筒+300cc増える1.3Lが買い得だ。スマートストップパッケージは横滑り防止装置も付いて安い。

●ホンダストリーム 2L車(14.2km/L)VS ホンダストリーム 1.8L車(13.2km/L)

ホンダストリーム
ホンダストリーム

 2Lが14.2km/Lで、1.8Lが1km/L低い13.2km/L。1.8Lは面目丸つぶれだ。2Lが魅力的に思えるが、今ストリームを買うマニアは1.8Lを選ぶ。ATは2LのCVT(無段変速)に対して1.8Lは5速。そのために燃費で不利になったが、有段ATの変速感覚がストリームにはピッタリだ。減税対象外でもあり、割安感は抜きに楽しみたい。

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