2000年4月1日の法改正以来、シートベルトが適切に装着できない6歳未満(5歳まで)の幼児には、クルマに乗る際のチャイルドシートの使用が義務付けられている。
しかし、チャイルドシートの使用義務については、タクシーやバスといった公共交通機関に該当するクルマなどの例外もある。
当記事では改めてチャイルドシートについて確認しながら、例外となる公共交通機関を使う際に極力安全に子供をクルマに乗せる方法を考える。
文/永田恵一
写真/Adobe Stock、DAIHATSU、仙台市、編集部、Combi
■チャイルドシートの基礎知識
シートベルトは、身長がおおよそ140cmを超えないとちゃんと装着できず、衝突時に首や腹部を圧迫する、抱っこなどでも衝突時にはとても子供を支えきれず重大な傷害を受けるため、シートベルトが装着できる体格に成長するまではチャイルドシートの使用が必要だ。
なお、チャイルドシートを使用するべき子供に使わなかった場合の罰則は反則金こそないが、1点の違反点数が科せられる。
チャイルドシートは大きく分けて新生児、生後15カ月まで用のベビーシート、生後15カ月から4歳頃まで用のチャイルドシート、6歳頃まで用のジュニアシートの3つに分かれており、子供の成長に従って体に合ったものを選びたい。
また店舗や通販サイトを見ると、どれを選んでいいか分からないくらい多数流通しているが、安全に関わるものだけに定評ある有名ブランドのものを選んだほうが無難だろう。
チャイルドシートを装着する位置はリアシート、ミニバンなどの3列シート車なら2列目が基本となるが、後方のスペースがない軽自動車などでは追突の際の安全性を考えるとリアシートが安全とも言い切れないこともある。
そのため、クルマによっては衝突時にエアバッグとの干渉を防ぐために、助手席を最後方にスライドさせる、助手席エアバッグをオフにできる機能がある輸入車ならこの機能を使うなどして、チャイルドシートは助手席に装着するという選択もある。
ちなみに、2018年にJAFが行った調査によるとチャイルドシートの使用率は66.2%と、チャイルドシートの使用の義務化が始まった頃に比べれば向上しているものの、決して高くないというのが実情だ。
またチャイルドシートの装着と着座の仕方に関しても、装着は61.6%、着座も53.8%の不備があったとのことで、チャイルドシートを買った際には正しい使用方法を確認しておきたいところだ。
■チャイルドシートの使用義務がないケース、クルマ
●乗車定員内で、チャイルドシートが子供の人数分設置できない場合
クルマの乗車定員は12歳未満の子供だと、1.5人で大人1人と計算される。そのため、8人乗りのクルマに大人1人が乗る場合、大人だとあと7人が乗れる。
12歳未満の子供は10人(小数点以下切り捨て)が乗車可能となるため、チャイルドシートは子供の人数分ではなく設置できる限りでいい。
※1 チャイルドシート以前にシートベルトも人数分ないのに合法というのもいかがなものかと思うが、
●子供の健康状態や体格によってチャイルドシートが装着できない場合
●怪我をした子供を病院へ運ぶ、迷子の子どもを保護して警察署まで送るといった緊急的な場合
●チャイルドシートの準備が想定できないタクシーやバスといった公共交通機関
が挙げられる。
※2 親類や知人のクルマ、レンタカーの場合には、チャイルドシートの使用義務が適応される(レンタカーの場合は、予約の際に頼めば有料で用意してくれることも多い)。
コメント
コメントの使い方