お題「ドライブ」でマンガを募集したら「人生」が集まった【ベストカーWeb×コルクBooks】

「どこまでも遠くへ」小柳かおり著

【寸評】「ここではないどこかへ行きたい」という感情をなるべく楽に実現させようとすると、電車でいいんですよね。それでもクルマで出かけると、それはクルマでしか味わえない魅力がある、ということをうまく表現していただきました。クルマは状況によっていろんな感情を代替することがあるんですが、この場合は「やさしさ」でしたね。あとクルマ好きの目にはスカウターが常備されていて、街行く「強そうな相手(クルマ)」の戦闘力を測定したがる習性があって、あまりに相手が強いと爆発し目をそらします。ご投稿ありがとうございました!

「青春っぽいをした。」 つのだふむ著

 

【寸評】ラスト前のコマのセリフに説得力がありすぎてヤバいです。特に「青春」って特定の年齢層を指すわけではなくて、「ある種の心構えのこと」だというのを実感しました。それと、微妙な距離感の友人たち満載でクルマで出かけるって、すごい高揚感ありますよね。あれって『十五少年漂流記』とか『銀河漂流バイファム』とか『彼方のアストラ』とか、青春冒険譚の王道的なシチュエーションなんだなと、この作品を見て気づきました。ご投稿ありがとうございましたー!!

「親子だから 」 上原トム著

【寸評】ドライブって父親にとっては「晴れの舞台」だったりするんですよね。これだけわかりやすく「家族のために役立っている」という状況って、日常生活のなかではなかなかありませんし(だからCMなどでよく切り取られる)。でもそこで見える姿は「いつもと違う姿」ではなくて、「いつもは見逃していた姿」なんだな、ということを思い出させてくれた作品でした。あと娘に「運転うまい」って言われる状況って、クルマ好きの夢ですね。言われると一週間くらい有頂天なので、全国の娘さんよろしくお願いいたします(何を?)。ご投稿ありがとうございました!

「黄色いアイツ」 inupapa著

【寸評】「このクルマに決めた!」という時のドキドキ感と、なぜか友達の評価や評判を気にしてしまうあたり、思い出して布団の上でゴロゴロ転がりたくなりました。一生に一度は2シーターのスポーツカーに乗るべきだと思うんですけど、それでも「どうせなら友達に喜んでもらいたい、役に立ちたい」とも思うのって、なんなんですかね。青春の病なんでしょうか。「かつて黄色いオープンカーに乗っていた」という経歴は、きっとその後の人生を豊かにしてくれるはずです。あと自作のお気に入り曲を集めたMDが何枚もグローブボックスに入っているシーンを思い出して、再び悶絶しました。ご投稿ありがとうございました!

「帰り道」 Ken著

【寸評】クルマに乗っていると、なぜか「心のファスナー」が全開になっていること、ありますよね。あれはなんなんでしょうか。窓を開けていても密室感、自分の部屋感があるからでしょうか。普段だったら絶対言わなそうなこととか、無意味に目に入る看板の文字とか読み上げ出したりしますよね。あれも同じ理由だと思うんですけど。軽いトランス状態というか、心だけ酔っ払った感じというか。助手席の彼がなんといったか、想像すると楽しいです。ご投稿ありがとうございました!

「月とドライブ」 いちばん著

【寸評】日本最古の物語も「月」にまつわるエピソードでした(『竹取物語』)。月は昔からわたしたちの想像力を掻き立て、不思議な世界へ連れていってくれる存在だったわけですね。ちなみにかぐや姫は月までクルマで帰っています(牛車だけど)。周りの景色が目まぐるしく動くクルマだからこそ、動かない月がより神秘的に見えるし、『竹取物語』の作者もそういう景色を見て「あそこから使者が来たら面白いな」とあの話を思いついたのかもしれないなと、この作品を見て思い立ちました。ご投稿ありがとうございました!!

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