■旧型と比べてどれくらい進化した?(石川真禧照)
第一印象は、リッパになった。これはEクラスが売れなくなる、ということ(実際にメルセデスの役員もそれを認めていた)。ボディサイズは現行よりも大きくなったのだが、デザインがSクラスのような曲線の多い、グラマラスになった。特にエクスクルーシブラインはSクラスに見間違うほど。
室内も居住空間が広くなっただけでなく、使用されている素材はSクラスと同じものを採用している部分もあり、全体に高級感が漂っている。Sクラスにも採用されていないタッチパッドもスマートフォンと同じように指の動きで操作できるのに驚いた。
走りの性能も向上。試乗したのはC250とC250ブルーテック。どちらもトルクフルでスムーズ。
特にディーゼルはスポーツ走行もバッチリ。クラス初のエアサスペンションは4モードのメリハリもあり、乗り心地や加速感を選べる。試乗車はいずれも19インチタイヤを装着していたがややオーバークォリティ、18インチのほうがバランスがいいだろう。
いずれにしても現行Cクラスを超えていることは間違いない。こんなに立派になっちゃって、国産はもとより、ライバルの輸入車もヤバい。
■BMW3シリーズよりいいか?(西川 淳)
新型Cクラス登場前の欧州Dセグメントは3シリーズの天下だった。アウディA4は古く、レクサスISは3には少し及ばない。旧型Cクラスも悪くなかったが、運転する歓びという点で物足りなかった。
新型は、違う。車体軽量化とフロント4リンクサス、そしてオプションながらエアマチックを初めて採りいれたことにより、Dセグ勢力図をいっきに書き換えた。そう、ファンとコンフォートを両立する、上級仕立てのクルマに仕上がっていたのだ。
要するに、ベンツらしい快適さと、ビーエムっぽい俊敏さを、ひとつのクルマにきっちり融合させてきた。パワートレーンの豊富さ、洗練度では、3シリーズと互角ながら、エアマチックで+αの走り味を提供できるという点で、Cクラスがわずかにリードしたと思う。
そのうえで、このインテリアである。3シリーズどころかA4もISも、何ならEクラスや5シリーズだって、上回るほどの見映え質感だ。このデキ映えを見せられた日には、Sクラス以上をもってくるか、それともシトロエンDSのようにぶっ飛んでみせるか、どちらかしか歯向かう手はない。
ドライバーが多くの時間を費やすのはコクピットである。その印象が、気分や走りの印象に与える影響は少なくない。そこまで考えたとき、CクラスのDセグ再制覇は決定的となった。
■メルセデスベンツ C250主要諸元
・全長×全幅×全高:4686×1810×1442mm
・ホイールベース:2840mm
・車両重量:1480kg(1595kg)
・エンジン:直4ターボ(直4ディーゼルターボ)
・排気量:1991cc(2143cc)
・最高出力:211/5500ps/rpm(204/3800ps/rpm)
・最大トルク:35.7/1200~4000kgm/rpm(51.0/1600~1800kgm/rpm)
・サスペンション 前:マルチリンク/ 後:マルチリンク
・0→100km/h:6.6秒(6.6秒)
・欧州複合モード燃費(1L/100km):5.3=約18.9km/L(4.3=約23.3km/L)
・価格:C180(3万3558ユーロ、約473万円)~
※カッコ内はC250ブルーテック(ディーゼルターボ)
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)


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