これが「俺たちとホンダの青春時代」… あの頃を思い出す歴代プレリュード一気乗り試乗会と新型への期待

これが「俺たちとホンダの青春時代」… あの頃を思い出す歴代プレリュード一気乗り試乗会と新型への期待

 仕事柄「クルマの乗り比べ」は当たり前のように行ってきた。しかし! 同じ車種を5世代にわたって乗り比べたことなど無し。もうひとつ付け加えておくと、試乗前はあまり面白そうな企画だと思いませんでしたね。古いのは古いだけだと考えた次第。

 ところがどっこい、でございます! 初代プレリュードから古い順に走らせてみたら「懐かしさ」と「そうだったのね!」が入り乱れ超楽しい!

文/国沢光宏、写真/本田技研工業

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初代プレリュード(1978~1982年/国内累計販売台数41,190台)

 私がベストカーガイド編集部に入った時、比較試乗企画で使うため初代のハンドルを何度か握った。95馬力のCVCC IIエンジンで、ATはスターレンジの3段。『L』と『☆』に『OD』を選ぶのだけれど、それぞれ変速しない固定ギアでした。だから3速じゃない。タコメーターとスピードメーターが同軸なのが印象的。乗るとクーペスタイルなのに超遅かったことを思い出す!

「ベルノ店」発足と同時に同店の専売車種として登場、日本車初の電動サンルーフを装着して話題となった。FFで4人乗り、全長は4090mm、車重890kg
「ベルノ店」発足と同時に同店の専売車種として登場、日本車初の電動サンルーフを装着して話題となった。FFで4人乗り、全長は4090mm、車重890kg

 デビューは私がベストカーガイド編集部に入る前の1978年。当時スクープ段階で「川越ベンツ」などと呼ばれていた。開発に使ったテストコースは古いクルマ好きなら御存知の荒川河川敷である。試乗車は前期型のCVCCで5速MT仕様である。驚いたことに当時は珍しかったパワステ付き! 45年前のクルマとあり、走るだけで「凄いね!」。Aピラーが細くて視界抜群です。

2代目プレリュード(1982~1987年/国内累計販売台数166,904台)

 1982年にデビュー。これまたベストカーガイド編集部員だったため、発表会や新型車試乗会に参加し、比較試乗では何度も箱根や谷田部、筑波に乗っていった。ボンネットを思いきり低くするためフロントにダブルウィッシュボーンを採用。ドライビングシートからボンネットが見えないほど低かったことを今回久しぶりに乗って思いだした。飛び抜けて個性的なデザインです。

リトラクタブルヘッドライトを採用した2代目プレリュード。発売からすこしたって「デートカー」という流行語を生みだすほどの大ヒットに成長
リトラクタブルヘッドライトを採用した2代目プレリュード。発売からすこしたって「デートカー」という流行語を生みだすほどの大ヒットに成長

 試乗車は1980年代前半では当たり前だった”パワステなし”。重いだけでなく、ステアリングギア比の関係でたくさん回さなければハンドルが切れない。日本で初めてABSを実用化したクルマでしたね。エンジンは5MT仕様だったので、125馬力1800ccツインキャブ。2代目モデルも40年選手。現代のクルマと比べハンドルやAピラーが細く華奢な雰囲気であります。

3代目プレリュード(1987~1991年/国内累計販売台数175,634台)

 1987年デビューの2代目モデルは発売当初ドカンという売れ方をしなかったものの、マイナーチェンジあたりから始まった2ドアクーペ人気の流れに乗って大ヒットする! 盛り上がりは3代目も続いた。リトラクタブルヘッドライトや、微少舵角で同相、ハンドルをたくさん切ると逆相になる機械式の4WSも大きな話題に。キラキラ度ナンバーワンのプレリュードになる。

量産乗用車では世界初となる機械式4WSが搭載された3代目プレリュード。登場直後から大ヒットとなった。ライバルは日産のS13シルビア
量産乗用車では世界初となる機械式4WSが搭載された3代目プレリュード。登場直後から大ヒットとなった。ライバルは日産のS13シルビア

 試乗車はAT。走りだすとセンター付近のステアリングフィールが妙な感じ。この時点で「4WSでしたね」と思い出す。当時は気にならなかったものの、少しヘタッているせいか改めて乗ると違和感のカタマリです(笑)。エンジンは2000ccのツインカムになり、動力性能が大幅に向上している。ステアリングフィールさえ気にならなければ、今でもなんとか実用に耐えると思う。

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