■デジタルミラーなど最新装備の使いやすさや乗り心地は?
サスペンションは前後ともストラットの4輪独立懸架で、リア駆動とした。また、可変ステアリングギアレシオも採用している。だから優れた取り回し性を見せた。軽自動車を凌ぐ4.3mの最小回転半径だからUターンや車庫入れを難なくこなす。
ただし、バックで直角に入れる駐車場では、切れ角がつかめず最初は寄せ切れないことがしばしばだった。これは慣れの問題か!?
ホンダパーキングパイロットは駐車する場所を選び、ボタンを押すだけで上手に駐車することが可能だが、狭い我が家の駐車場では人間の運転感覚を超えることはできなかった(笑)。
量産車で最初に標準装備としたサイドカメラミラーシステムも静粛性と燃費向上に大きく貢献している。カメラの6インチモニターはAピラーの付け根にあるが、画像が鮮明で、見やすい。とくに助手席側は見やすく、距離感もすぐに慣れた。
だが、ドライバー側はステアリング操作によっては陰になり、見えづらいことがある。カメラタイプのインナーミラーは画角が広いから後方の情報が分かりやすい。夜間も明るく見えるが、車種まで判別するには時間がかかる。
ハンドリングは軽快だ。しかも素直で、意のままの走りを楽しむことができる。
タイヤがミシュラン製のパイロットスポーツ4で、17インチの前後異サイズだから、接地フィールは群を抜いていい。ワインディングロードでは気持ちいいハンドリングを見せてくれた。電池を敷き詰めて重心が低いこともあり、フットワークは軽やかだ。
また、クラスを超えた上質な乗り心地も特筆できるところである。足がしなやかに動き、路面からのショックを上手に受け流す。ブレーキも違和感なく利き、安心感がある。
■最も気になる懸念は「電費」! 長距離ドライブには注意点も!?
まだ700kmしか走っていないが、標高1000mまでの登降はん路を経験したし、高速道路も走った。今、もっとも気になっているのは電費だ。
リーフやBMWのi3は、丁寧に乗ると電費が8km/kWh台に乗った。が、最初の100kmの電費は驚いたことに4km/kWh台だ。
タイヤが馴染み、乗り方が分かってくると6km/kWh台まで向上し、カタログ値に肉薄する7.2km/kWhをマークしている。ただし、これは、かなりエコ運転に徹して出した数値だ。
電費が6km/kWhだと、バッテリー容量は35.5kWhだから計算上は213km走れる。7km/kWhまで延ばすことができれば、航続距離は248kmになるが、エアコンを作動させると難しいだろう。ロングドライブは思いのほか苦手だと分かった。回生ブレーキを上手に使えるように訓練すれば、もう少し電費をよくできるだろう。
かなり効果があったのは、エアコンを止めてシートヒーターを使ってドライブすること。天気がよければ、シートヒーターが強力だから、エアコンを切ってもそれほど寒くなかった。
また、予約機能を使って事前に室内の温度を最適に調整し、寒いときだけエアコンを使うと言う方法も有効だろう。が、タウンユースと割り切れば、エアコンをフルに使うことができる。
電費を延ばしたい人には、16インチのエコタイヤ、ヨコハマ製ブルーアースを履く標準仕様がオススメだ。
これ以外に不満に感じるのは、狭いラゲッジルームと後席が分割可倒式でないことだ。ラゲッジルームのアンダートレイに普通充電用のケーブルが収納されているが、充電口は前だから、充電時に面倒と感じることもある。
また、小物の収納も、もう少し欲しいところだ。当然、価格はコンパクトカーとしては割高と感じる。
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いくつか弱点はあるが、新しもの好きには魅力的な1台だ。シームレスで滑らかな加速感はエンジン車には望めないし、デザインと機能にも新しさがギッシリ詰まっている。
ライバルを圧倒する未来感とペット的な可愛らしさに惚れ込んで買ったのだから、これから先、上手に付き合っていきたい。
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