■「加速が鈍くない」!? e-POWERに特化した完全新開発プラットフォーム
正直言って、従来型ノートではシャシーの限界を感じていた。
路面の凹凸を通過するとフロアがブルブル振動し、操舵に対する車体の反応にも一瞬の遅れがあったり、ロールスピードが唐突だったりして、姿勢変化が大きかった。
また、電動モーターで走るe-POWERだと、アクセル操作に対するトルク変動で前後のピッチングが大きく、ドライバーの目線移動が大きくなり、より丁寧なアクセルワークが求められたのだ。
そうしたこともあって、新型ノートに乗り込んで走り出す前は、やや意地悪に「加速時のフィーリングを細かくチェックしてやるぞう…」と意気込んでいた。
そもそもノートe-POWERといえば「ワンペダルドライブ」の代名詞。
初動から強烈に立ち上がるモーターのトルク感が印象的で、今回それがどう変わったのか、最大の注目ポイントでもある。
そんなことを考えつつ新型で走り出すと、「ん? なんか加速鈍くないか?」というのが最初の感想。マジか。マジです。
「はは~ん、ECOモードだからだな」と思い、スポーツモードに切り替える。が、多少はトルク感を大きく感じるものの、思ったほどではない。
ところが、これこそが“狙いどころ”で、実は新開発されたモーターのトルクは10%、パワーは6%向上していて、加速タイム自体は旧型を上回っているのだ。
「モーターの制御を、よりドライバーが自然に感じる出力、トルク特性としたのはもちろんですが、それに加えて、シャシーチューニングもピッチングを抑えるなど、パワートレーンと合わせて詰めていくことができたためです」と、パワートレインEV技術開発本部の羽二生倫之主管は我が意を得たりと説明した。
いわゆる「ワンペダルドライブ」も、アクセルオフ時の回生減速がスーッと転がるようで従来型より「弱め!?」と感じたんだけど、実際は最大0.18Gの減速Gで、従来型の0.15Gより大きい。
減速Gの立ち上がりを緩やかにして、速度の低下に伴ってGを高めるチューニングがこのスムーズさを生んでいる。より自然で、すぐに慣れてスムーズなワンペダルドライブが可能だった。
乗り心地や室内で感じる音も上質で、新型ノートはスッキリ顔のイケメンの、スマートなコンパクトカーだ。
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