使い勝手
●フロントシート
フロントシートは車格の差相応にダッシュボードなどの質感が高く、シートも大きいヤリスクロスの勝ちだ。しかしインテリアの雰囲気はヤリスと高さ関係くらいしか大きな違いのないヤリスクロスに対し、ライズのほうが明るさや楽しさを感じるものとなっている。
●リアシート
ヤリスクロスのリアシートはリアシートがあまり広くないというヤリスの特徴を引き継いでいるようで、コンパクトSUVの水準をやや下回るといったところだ。
対するライズはボディサイズが小さいにも関わらずヤリスクロスと同等と大健闘しており、ボディサイズを加味するとライズに軍配が挙がる。
●ラゲッジスペース
ヤリスクロスのラゲッジスペースは390LとコンパクトSUVとしては平均的だ。
対するライズは369Lとボディサイズを考えれば望外に広いのに加え、ラゲッジスペースに付くボードを下げた状態でもFF/88L、4WD/38LというFFだと巨大と言っても過言ではない、かなり使えるアンダーボックスも備えており、ライズの圧勝だ。
●取り回し
ボディの小ささを生かした取り回しのよさはライズの最大の魅力であり武器もある。この点などを加味し、使い勝手を総合的に見るとライズがヤリスクロスを大きく上回る。
動力性能
ライズの1L、3気筒ターボはターボエンジンながら低回転域から太いトルクが出ており、高回転域での伸びこそないもののCVTとのマッチングも良好で非常に扱いやすい。
いっぽうヤリスクロスの1.5L、3気筒ガソリンはNAエンジンらしく全体的にごく自然なフィーリングで、高回転域までエンジンを回した際には楽しさ、気持ちよさも持つ。
アクセルを深く踏んだ際などの絶対的な動力性能はヤリスクロス優勢だが、ライズはヤリスクロスに対しFF同士で140kg軽いこともあり、想像より差は少ない。
ただどちらもエンジン回転が高まると好みはともかくとして、やはり3気筒独特のエンジン音がするのは当然ながら同じだ。
燃費も実走行にかなり近いカタログに載るWLTCモード燃費通り大きな差はなく、動力性能は1Lという排気量によるライズの自動車税の安さも加味し、引き分けとする。
なおヤリスクロスのハイブリッドはモーターのアシストにより実用域ではよりパワフルなのに加え、エンジンの稼働が減少するため3気筒独特のエンジン音が聞こえる頻度も減る。
燃費も1.5Lガソリンの1.5倍程度が期待できるので、エコカー減税なども含めると実質的に30万円程度の価格差はあるが、極端に走行距離の少ない人以外、長いスパンでは処分する際の査定も含めペイできるものなので、ヤリスクロスを買うならハイブリッドを基本に考えたほうがいいかもしれない。
ハンドリング、乗り心地
ライズはハンドルの切りはじめのフィーリングの悪さ、荒れた路面だとリアのバタつきが気になる乗り心地など、運転していると安っぽさを感じることがある。
いっぽうのヤリスクロスも悪くはないものの、ヤリスを運転した際に感じる「オッ」という雰囲気のよさのようなものはなく、ライズほどではないにせよ荒れた路面だと乗り心地がイマイチというシーンもあり、全体的には普通といったところだ。
そのため、ハンドリングと乗り心地はヤリスクロスの勝ちとする。
なおヤリスクロスの乗り心地がイマイチさは車重が重いほど緩和されるので、ヤリスクロスの中での乗り心地はハイブリッドの4WDがベストではある。
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