日産EXAはスペシャルティに極まる! 【徳大寺有恒のリバイバル試乗記】

■ツインカム搭載の乗り心地はしっとり

 エクサのボディウエイトは5MTモデルでキャノピー、クーペともに1070㎏と1.6Lクラスにしては相当に重い。だからせっかくのツインカムエンジンCA16DEをもってしてもシャープな切れのいい加速とはいかない。むろん、遅くはない。

 1.6Lとしては納得できる加速だと思うが、ライバルとなるシビックSiやカローラFX GTよりは0~100km/h加速や0~400m加速のタイムは遅いかと思う。

 しかし、そのことはエクサにとって大きなハンデキャップにはならないと思う。加速はそれほどでもないが、気持ちよさは充分だからだ。

 CA16DEエンジンの4500rpmあたりからレッドレブとなる7500rpmまでの吹け上がりの気持ちよさは、さすがツインカムエンジンなのだ。

エンジンは当時まだ珍しかったツインカム4バルブのCA16DEのみで、最高出力は120psでオープンカーがツインカムを採用するのは初めてだった
エンジンは当時まだ珍しかったツインカム4バルブのCA16DEのみで、最高出力は120psでオープンカーがツインカムを採用するのは初めてだった

 シフトフィールは悪くないがセカンドとサードのステップ比が大きい。これがもう少し狭くなるともっといい。とにかくエクサは自然吸気ゆえの気持ちよさを持っている。

 エクサはパルサーベースでFFだ。このFFのハンドリングが実によくしつらえてあるのだ。スティアリングを切る。じわっとロールが起こる。ノーズが曲がり始める。リアが利き始めるとロールはいっそう深くなり、クルマはコーナーをハイスピードで駆け抜ける。

 この一連の動作がとてもスムーズで気持ちいい。ただし、その乗り心地は軽快というより大人びたものだ。このクラスのスポーティカーと比べると俊敏ではないが、かといって鈍くもない。

 エクサはとても楽しめるクルマだ。オープンエアドライブはやはりクローズドボディでは味わえない世界を見せてくれた。エクサは少々高価だ。

 キャノピーのATの上級モデルは200万円を超え、1.6Lクラスでは最高のプライスタッグがつく。

 しかし、けっこうよく走ってハンドリングが面白くて、しかもかっこよく、かつオープンも楽しめるとなるとエクサしかない。そう考えるとエクサは高いだろうか?

一服中の徳さん。後ろに見えるのがクーペタイプのEXAだ
同時期取材時の徳さん(後ろにあるのは三菱スタリオン)

 

◎日産EXA主要諸元

  • 全長:4230mm
  • 全幅:1680mm
  • 全高:1295mm
  • ホイールベース:2430mm
  • エンジン:直列4気筒DOHC
  • 排気量: 1598cc
  • 最高出力:120ps/6400rpm
  • 最大トルク:14.0kgm/5200rpm
  • 車重:1070kg
  • トランスミッション:5MT
  • サスペンション:ストラット/ストラット
  • 10モード燃費:12.2km/L
  • 当時の価格:192万9000円
  • 登場年:1982年

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