まるでランエボのように曲がる! 雪道試乗で見えたエクリプスクロスPHEVの素性のよさ

■気分はランエボ的なスポーツ4WD! 雪上でのインプレッション

 そんな原体験があったものだから、一般道の雪道走行も興味津々。今回は雪を求めて岩手県一関市の山奥まで遠征したのだが、遠出した甲斐あって雪の林道を大いに堪能した。

ランエボを超えた!? とされる前後駆動力配分を実現できたツインモーター4WDの『エクリプスクロスPHEV』。雪上走行はお手のもの!!
ランエボを超えた!? とされる前後駆動力配分を実現できたツインモーター4WDの『エクリプスクロスPHEV』。雪上走行はお手のもの!!

 エクリプスクロスPHEVは、「ECO」「NORMAL」「SNOW」「GRAVEL」「TARMAC」という5つのドライブモードが設定できる。道幅の狭い雪の林道ゆえ、まずは「SNOW」を選択して走り出す。

 このモードではアクセルレスポンスが穏やかになり後輪へのトルク配分が増える。安定感が増して乗りやすいのは間違いないのだが、上り勾配ではアクセルのレスポンスと駆動力がもっと欲しいのが正直なところだ。

 いろいろ試したが、前後トルク配分が50対50のGRAVELモードのほうが、反応がシャキッとしていて乗りやすい感じ。うっすら轍があるくらいで交通量ほぼゼロの林道をガンガン登ってゆく。

 サーキットで好印象だった操舵レスポンスの安定ぶりは、こういう一般道の雪道でもまったく不変。登り勾配だから曲がりのきついコーナーにちょいオーバースピードで入っても不安はなく、自信を持ってアクセルを踏んでゆける。

 というか、こういうウインターラリーっぽいシチュエーションで走らせると、前後2モーター合計で177ps/332Nmというパワーではだんだん物足りなく思えてくる。

三菱自動車にはWRCなどで収集した膨大な走行データがある。現代の自動車デバイスの電子制御化は、そのデータから理想の走りを実現させるのに格好のシチュエーションだと言える
三菱自動車にはWRCなどで収集した膨大な走行データがある。現代の自動車デバイスの電子制御化は、そのデータから理想の走りを実現させるのに格好のシチュエーションだと言える

 シャシーのポテンシャルは、250ps/450Nmくらいでも余裕だろうし、そのくらいあったらかつてのランエボなみにスポーツ4WDとして楽しめそう、そんな欲張りな妄想すら抱いてしまった。

 しかし、雪道で調子こいてるとヤバいのは下り。帰路は安定度の高いSNOWモードを選択して慎重に山を降りる。

 雪道の下りでキモに命じなければいけないのは、絶対にオーバースピードでコーナーに進入しないこと。安全率を多めにとって確実に減速するのが肝要だ。サーキットではOFFで楽しんだスタビリティコントロールも、公道ではもちろん常時ONだ。

 電動車両は電池の搭載量を増やすと車重が重くなるのが悩み。エクリプスクロスPHEVもカタログ車重は1920kgある。これでも100kWh近くもバッテリー積む最近のEVよりだいぶ軽いのだが、下り勾配のブレーキングは車重の影響が支配的。慎重なドライビングに徹する。

 そういうケースではパドルで回生ブレーキの強さを選択できる機能が便利だった。路面のミューが断続的に変化するような状況では、回生ブレーキをメインとしてフットブレーキで微調整するとコントローラブル。ちょいミスで何度かブレーキを残したままコーナーに進入したが、アンダーステアでドキッとするようなケースは皆無。制御のきめ細かさという点では、電動車はエンジン車に優ると言わざるを得ない。

 山を降りて思ったのは、PHEVといってもただエコなだけのクルマではなく、ナミのSUV以上の走破力と低μ路でのコントロール性能が備わっているのがエクリプスクロスPHEVの魅力、ということ。 このキャラはやはり三菱車ならではの個性。ここを伸ばすのが三菱のブランド戦略にとって重要なテーマだとあらためて実感した試乗でした。

【画像ギャラリー】雪道を豪快に走る『エクリプスクロスPHEV』を写真でチェック!!

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