■迫力あるサウンドと淀みない加速が炸裂
アイドリング中にスロットルペダルを踏み込むと、後方からダッシュボードがわずかに共鳴するほどの意外と大きなエグゾーストサウンドが響き渡る。
コンソールの小さなセレクトレバーをDに、そしてドライブプログラムはコンフォートを選択してスタート。このモードではスタンダードのゴルフと変わらない快適なドライブが可能だ。
続いてスポーツモードに切り替えると、わずかにスロットルを踏み込んだ途端にパワーが炸裂。2000rpmからレブリミット5000rpmまで淀みなくパワーが沸き上がる。
FFで300馬力/400Nmと聞けばアンダーステアが気になるところだが、このGTIクラブスポーツではタイトコーナーで電子制御のデフロックが働いてトラクションを確保。狙ったラインどおりのコーナリングが可能だ。
またスポーツモードにおけるプログレッシブステアリングも車速に応じて自然に可変し、繊細なライントレースができるためサーキットでも充分に耐えるスポーツハンドリングを示した。
実用性も充分に残されたGTIクラブスポーツはスタンダードのGTIに飽きたらない、時々は峠道を攻めたいと思っているスポーツドライバーにお薦めのバリエーションだ。
ドイツでのベース価格は40,225ユーロ(約520万円)。スタンダードのGTIよりも2,625ユーロ(約34万円)高いだけゆえに、日本でも人気が出る可能性は充分にある。
■新型ゴルフRは歴代最強パワーの320馬力を発揮!
ゴルフRはシリーズのなかでは別格で、開発はフォルクスワーゲンR社で行われている。エンジンはGTIファミリーと同じく、4世代に渡って進化してきた4気筒2L直噴ターボだが、最高出力は320馬力、最大トルクは400Nmと、歴代最強のパワーを誇っている。
そして7速DCTとハルデックスクラッチを採用する4WDとの組み合わせによるカタログ上のダイナミック性能は、0-100km/hが4.7秒、最高速度は270km/hと歴代もっとも速い。
スタンダードGTIとの違いは、「R」バッジがフロントグリルとリア中央に見られること。さらにフロントエプロンの両脇にGTIのような5灯ドライビングライトがなくなり、大きな開口部を持ったクーリングダクトにウィング型のエアスプリッターが設けられている。
ワイドなサイドシル、ルーフエンドには2分割式のルーフスポイラー、そしてディフューザーの両側にはアクラポヴィッチ製のマフラーが両サイドから突き出ている。このエグゾーストシステムはチタン製で排気効率を上げるためだけではなく7kgの軽量化も果たしている。
インテリアは基本的にはゴルフシリーズと共通で、ダッシュボードやドアトリムの素材には相変わらずハードプラスチックが見られる。しかし、ヘッドレスト一体型のハイバックスポーツシート、やや太めのステアリングホイール、そして比べてみると長くなったパドルシフトなどでRモデルであることを強調している。
ドライバー正面とダッシュボード中央のデジタルモニターもGTIと共通だが、メニューにはRモデル独自のデザインが現れる。
ドライビングモードは6種類で「エコ」「コンフォート」「スポーツ」「レース」、そして「インディビジュアル」、さらにスペシャルメニューとして「ニュルブルクリンク」がある。「ニュルブルクリンク」モードの内容はコースに合わせて、「レース」モードよりもややソフトなダンパーセッティングになっている。
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