■日常使いも優秀なゴルフシリーズの頂点
走り出すとターボは2000rpmくらいから働き始めてスムースにパワーが盛り上がり、6700rpmのレブリミットまできっちりと回る。7速DCTはオイルクーラーを追加し、クイックなシフトタイミングを可能にするようにソフトウェアがアップグレードされ、気持ちいいシフトワークが可能だった。
ただし、マニュアルモードでもレブリミットよりも手前でシフトアップする傾向があったのがちょっと残念だった。MT仕様が望まれるところだ。テスト車にはウィンタータイヤが装備されていたこともあって、乗り心地はソフトでロングツーリングにもまったく問題がない。
さらにハルデックスクラッチを採用した4モーション(4WDシステム)は、リアに搭載されたトルクベクトリング付きの電子制御デフロックとともに作動することでニュートラルなコーナリング特性を実現。そして、当然ながら路面状況に左右されないトラクションを提供してくれた。
また、これらすべてのデバイスがVDM(ビヒクル・ダイナミック・マネージメント)によって統合制御されているので、いかなるシーンでも動きがスムースであった。
新型ゴルフRは、シビックタイプRやメガーヌRS、さらにはメルセデスAMG A45 Sなどと比べると、日常使用における快適性は優れていた。それでもゴルフGTIより10,411ユーロ(約135万円)も高価なゴルフRは、月に一度はサーキットでのスポーツ走行に連れ出したい、ゴルフシリーズの頂点に立つ文字どおりのハイパーハッチだった。
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