■欧州車にも胸を張れる完成度だ
スポーツカーとしてもビートはなかなかのものだ。バランスのよいミドシップによる小気味のいいハンドリング、そしてリーズナブルな乗り心地。
ビートは最近の国産スポーティカーのなかで、不思議とコーナリングを突き詰めないクルマとなった。タイヤもヘンにグリップ重視だけじゃない。あくまでバランスを重視している。
だから、ビートはクルマとして極めて完成度高いのだ。もし、文句をつけるのだとしたらブレーキ。こいつはストロークの短いサスペンションのためもあって、ロックが速いことだろう。
ビートのドライブはセンシティブにやってもらいたい。小さいとはいえミドシップなのだ。コーナーの手前でキチンと荷重を前へやり、それからスティア、これがミドシップの楽しさだ。
私は“こんなクルマが日本でできましたよ”といってヨーロッパに輸出すればいいと思っている。日本のクルマはたしかによくできている。しかし、ただ俺たちのクルマをマネて、安く、少しばっかりうまく作っているだけと思われているが、このビートはさすがの彼らとて、そうは思うまい。
◎ホンダ ビート ベースグレード 主要諸元
全長:3295mm
全幅:1395mm
全高:1175mm
ホイールベース:2280mm
車重:760kg
エンジン:直3SOHC
総排気量:656cc
最高出力:64ps/8100rpm
最大トルク:6.1kgm/7000rpm
トランスミッション:5MT
10モード燃費:17.2km/L
サスペンション:ストラット/ストラット
価格:138万8000円
◎ベストカーテストデータ
0〜400m加速:17秒99
0〜1000m加速:34秒79
筑波サーキットラップタイム:1分21秒30
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