1988年に登場した初代スズキエスクードは現在のコンパクトSUVのルーツと言える“ライトクロカン”と呼ばれスマッシュヒットしたモデルだった。
そして2015年10月に4代目にあたる現行型エスクードが登場。初代から続いた「ラダーフレーム+後輪駆動」というアーキテクチャーから、今どきのSUVらしいモノコック+前輪駆動に変更。さらにハンガリーで生産され輸入されるコンパクトSUVへと変貌した。
2021年9月に一旦国内販売が終了したエスクードだったが、2022年4月に1.5Lエンジンのハイブリッドシステムを搭載して再登板。今回はハイブリッド車に生まれ変わったエスクードのインプレッションを行った。
文、写真/萩原文博
【画像ギャラリー】ハイブリッド車となって復活したエスクードの詳細を画像で紹介(16枚)画像ギャラリー高い走行安定性は欧州仕込みのサスペンショによるもの
2015年10月に登場した現行型エスクードは、全長4,175mm×全幅1,775mm×全高1,610mmという取り回しの良いボディサイズながら、5人乗車時のラゲッジスペース容量を約375Lも確保した優れたパッケージングが特徴だ。
搭載しているパワートレインは、デビュー時が1.6L直列4気筒DOHC+6速AT。2017年7月に最高出力136ps、最大トルク210Nmを発生する1.4L直列4気筒ガソリンターボエンジン+6速ATを搭載したモデルを追加し、途中からこの1.4Lターボが主力エンジンとなっていた。
駆動方式は、デビュー当初は2WD(FF)車も用意されていたが、“オールグリップ”と呼ばれる電子制御4WDシステムがメインとなっている。
このオールグリップは、車両の走行状態をアクセルセンサー・操舵角センサー・車速センサーなど各センサーからの情報をもとに、トータルに監視。クルマの動きを予測し、車両が不安定になる前に対処してくれるので、高い走行安定性を実現している。
さらに、“オールグリップ”は路面状況に応じて、オート、スポーツ、スノー、ロックの4つのドライビングモードを設定。ドライバーの意志で自由に選ぶことが可能。
また、ロック以外の走行モードでは、スリップした前後の対角線上の2つのタイヤにブレーキをかけ、空転していないタイヤにより多くのトルクを伝達することで、スタックした時にも優れた脱出性能を発揮する。
欧州で徹底的に走り込んでチューニングしたサスペンションを採用し、安定感の高い走りが特徴だったエスクードだったが、2021年9月に国内販売車種から一旦姿を消した。
そして、2022年4月にこれまでのターボエンジンから1.5Lエンジンのハイブリッドシステムにパワートレインを変更し登場した。
エスクードハイブリッドの外観デザインは、歴代モデルのデザインを継承したクラムシェル(貝殻)フード、フェンダーガーニッシュを採用し、前後のバンパーで安定感を表現。さらにハイブリッド車はヘッドランプとアルミホイールの意匠を変更しています。
インテリアは力強いSUVを表現したスポーティさと上質さを追求。インパネ中央部のデザインで、力強いSUVらしさを強調し、金属調のインパネガーニッシュやエアコンルーバーでスポーティさを表現している。
ハイブリッド車はマルチインフォメーションディスプレイにハイブリッド関連の表示を追加したのに加えて、シフトノブの加飾をサテンメッキオーナメントに変更している。
搭載しているパワートレインは、スイフトに搭載されているストロングハイブリッドの進化バージョン。最高出力101ps、最大トルク132Nmを発生する1.5L直列4気筒エンジンと最高出力33.4ps、最大トルク60Nmを発生するモーターを組み合わせたハイブリッドシステムとなっている。
組み合わされるトランスミッションはスズキ独自の6速AGSで、燃費性能はWLTCモードで19.6km/Lという優れた燃費性能を発揮する。駆動方式は前出のオールグリップと呼ばれる4WDのみだ。
そして減速時にモーターで発電する回生ブレーキとフットブレーキを一緒に制御する回生協調ブレーキをスズキで初採用。ブレーキを掛けた際にもブレーキをかけた際に効率良く充電ができるようになっている。
安全装備では、衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」を搭載。隣接車線の後方から接近する車両を検知する「ブラインドスポットモニター[車線変更サポート付]」、駐車場などで自車の後方左右から接近する車両を検知する「リアクロストラフィックアラート」、全車速での追従機能を備えた「アダプティブクルーズコントロール[全車速追従機能付]」を採用。
さらに、デュアルセンサーブレーキサポートが認識した道路標識を表示する標識認識機能[車両進入禁止、はみ出し通行禁止、最高速度]を追加し、利便性が向上している。
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