超ド級SUV!! 650ps3000万円超!! ランボルギーニウルス「猛牛」ぶりを堪能

 スーパーカーの代名詞ともいえる「ランボルギーニ」。かつてのカウンタックやディアブロなど、平べったいボディにポップアップドアを備えたスーパーカーを制作するメーカーだ。

 そんなランボルギーニが初めての近代的なSUVとしてデビューさせたのが「ウルス」。LM002というカウンタックのV12を搭載した4WDもあったが、わずか300台ほどしか生産されていない。

 それに比べるとウルスは世界戦略車でもあり、立ち位置は大きく違う。アウディとランボルギーニの関係があるから実現できたウルス。

 最大出力650psというぶっ飛びSUVを、レーシングドライバー道上龍選手がインプレします。道上さん、「言いたいこと言うで」とのことで原稿もバッチリ!?

文:道上龍/写真:池之平昌信


■ホンダ一筋だけど今回はランボルギーニをインプレするで

 ランボルギーニと聞いて僕が想像するのは、ガヤルド、ウラカン、アヴェンタドールなどの高級スポーツカー。なんとそのランボルギーニがSUVを開発し、2018年「ウルス」を発売したとのこと。

 あ、申し遅れました。読者の皆さん、こんにちは。今シーズンもSUPER GTでNSX-GT3を駆りGT300クラスを戦います、レーシングドライバーの道上龍です。

 奈良県出身、愛車はNSX(92R)、シビック(FD2)……、そんなんどうでもええか。

奈良出身の道上さん、ノリがよくてこんなポーズ。NSXは愛車でコツコツとメンテナンスをしているとのこと。モータースポーツファンは目頭が熱くなります!!

 今回ひょんなことから箱根のターンパイクでウルスに乗る機会をいただいたのですが、ベストカーさんありがとうございました。

 まぁとりあえず最初の印象は、デカイわ。インパクトありすぎ。そしてどこにいてもバレてしまうであろう、黄色が目立つ、目立つ。

 ランボルギーニはそりゃスーパーカーのNAエンジンのイメージやけど、 ウルスはツインターボ、V8エンジン、4L、8速AT、最高出力650ps。

 車重はゆうに2トン超え。それを受け止めなあかんカーボンブレーキディスクがまたデカイのなんのって(編集部註:フロントディスクローターは直径440mm !!)。

カーボンローターはなんと440mm。この本気なブレーキを装備しないと650ps、そして2.2tのウルスには役不足なわけです

 エクステリアやインテリアは、わりと最近は日本車なんか、外車も含めて丸びを帯びているデザインが多いように思うねんけど、ワザとかと思うほど角張ってたな~。

 シートの刺繍といい、エアコンの吹き出し口といい、言うまでもなく必然的に6角形のデザインに目がいきます。

 ちなみに読者の皆さんもご存じかと思いますが、ランボルギーニはフォルクワーゲングループやから、アウディQ7とかポルシェカイエンとかとプラットフォームが同じですね。

■「物理的な重心には逆らえないけどそれでも巨体を進めるねん」

 さて、とりあえず乗り込んでみるが、スイッチ類がいっぱいあってようわからん(笑)。

 センターコンソールの周りにはドライブモードを切り替えできるレバーがあって、そこにイタリア語でアーニマと書いてありました。

 早速辞書で調べてみると……、魂や心、そして精神という意味やて。

 「ストラーダ」、「スポルト」、「コルサ」、「テッラ」、「ネーヴェ」、「サッビア」という走行モードが6つもあるということで今回はこれを重点的に色々いじって走行しようと決めました。

中央のレバーを引くとリバースに入る。左の「ANIMA」レバーを引くとモード切替がされ、車高や減衰力などの調整ができる

 どれもイタリア語やからなに言うてるのか意味不明やけど、「コルサ」はわかるで! 僕のチーム名は「ドラゴコルセ」。コルサもコルセも同じ意味で、レースや競争を意味するねんな。

 だからこれはめっちゃ走るモードなんやなとすぐにわかる(笑)。その他、テッラ(グラベル)、ネーヴェ(雪)、サッビア(砂)の3つはオフロード向けやから、今回あまり使わんかったね。

 まず、「ストラーダ」でスタート。これは普通にドライブで走るモードやね。軽くアクセルを踏み込むと、発進もスムーズでスーッと自然に車が前に出る。

 そこからアクセルをさらに踏み込むと、どんどんシートに押さえつけられる加速感を体感。そこからスポルトモードに切り替えると、ブルーに表示されていたメーターパネルがオレンジに変わりました。

 そしてエンジンサウンドが甲高くなり、これに合わせるように一気にアクセルを踏み込むと……。あかんッ、この加速!

 シフトアップ、ダウンのたびにアンチラグのような、アフターファイヤーのような「パンパン(編集部註:近年のスーパーカーの演出で変速時などに鳴るアフターファイヤーのような破裂音)」という音が響きます。箱根の山の獣たちがこの「パンパン」で目覚めたやろな(笑)。

猛烈なサウンドと加速を見せるウルス。大きなC-HRなんて声も聞こえるが、やはり走ればその存在感は桁違いのスーパーカー

 もうメーターなんて見る余裕がなくなるぐらいの加速。少しステアリングも重くなり、やる気モードに入りました。2トンを超える車両重量をものともせず、上り坂をぐんぐん登っていきます。

 ただコーナーは、物理的に重心も高いから路面ギャップを拾うと少しふらつくのがちょっと怖いな。ここでコルサモードの登場です。

 もちろんレバーのみならず液晶ディスプレイでも切り替えはできます。話は変わるけど、最近はパネルタッチで操作できるクルマも多いけど、僕的にはやりづらいイメージがあって。

「絶妙なところに肘置きがあんねん」と道上さん。なかなか使い勝手がよく気に入っていたようだ

 でもウルスの場合は、ちょうどええ位置に肘掛けがあって、肘を安定させながら操作できるから問題なかったで。

 ただブレーキだけはとんでもなくデカいローターを装備していても、ワイディングを走っていれば少しフェード気味になるな。物理の法則には逆らえないけど、それでも緻密な制御には感心。

■3000万円でもこの世界観なら買って損はないで!!

 最後の仕上げとして魂を込めて「コルサ」をポチっと押してみた。メーターパネルはレッドに! 更にパワーアップ! エンジンサウンドも更に甲高くなり、「パンパン」も必要以上に増します(笑)。

 もうこうなると「パンパン」大演奏大会やで!! もちろん「パンパン増量」だけじゃなくてサスの減衰も上がり、ハードになってしっかり感は増したけど、ちょっと硬いかな~。

シフト時に「パンパンッ」という炸裂音が山にこだまする。ランボルギーニここにあり、といった感じ。ちなみにストラーダモードだと「パンパン」しない

 サーキットみたいなフラットな路面だと最高やね、きっと。

 なんかもっと自分好みにしたいなぁなんて思っていたら、エンジン、ステアリング、サスペンションを個別に設定できるモードも搭載しているやん! その名も「EGO(エゴ)」。やるな、ウルス。

 早速思い通りのエゴなセッティングにすべく、色々いじってみた結果、「エンジン:スポーティブ」/「ステアリング:ミディアム」/「サスペンション:スポーティブ」に落ち着きました。

 はい、道上ターンパイク仕様の完成です。オーナーの方、見てたら試してみてほしいな。まあこういうSUVでワインディングを走ることはあまりないとは思うけどね。

 ただウルスに注文がないわけちゃうで。簡単にスピードが出ちゃうから、しっかり体を支えるシートのホールド感がもっと欲しいな。上半身はしっかりホールドされてんねんけど。

 太もも周りサイド方向のホールドがないから、ちょっと不安定で足が横にブラブラすんねん。

 ランボルギーニなんだからそこにもサポートが欲しいよなぁなんて思いながらも、すっかりウルスを楽しんでいる自分がいるのに気づいてもうた(笑)。

後席も大人が普通に座ることができる。ランボルギーニで家族で出かけられるなんてのは夢のようなハナシだ。道上さんが指さしているのはハンガーかけ

 そうそう、去年か一昨年、ニュルへあるテストへ行ったんです。そしたらカモフラージュされてテストしていたウルスを見ました。

 ニュル言うたら世界一過酷なコースやのに、このウルスはでっかいボディで200km/h近くのスピードでスラロームして走ってんねん!!

 ノルデュッシュライフェを、他の車に威圧をかけるように「どけどけ~」って突進する姿を見かけたけど、まさにあの姿は怪物やったね。

 あの実力を発揮する場所は日本にはないかもしれへんけど、それだけの可能性を内に秘めているのは素敵やね。世界的に売れてるって聞いたけど、買って損はしないなと思いました。

 ただ、3000万円っていう価格の問題もあるけど、デカイからちゃんと駐車スペースは確保せなあかんな(笑)。車幅2181mm、コインパーキングは基本的に無理やで。

【ランボルギーニウルス スペック】

ボディサイズ:5112mm(全長)×2181mm(全幅)×1638mm(全高)
エンジン:V8 4L ツインターボ
最高出力:650ps/6000rpm
最大トルク:86.7kgm/2250-4500rpm
試乗車オプション込み価格(基準車):3342万6667円(2779万円)

【道上龍選手プロフィール】

 道上龍(みちがみ・りょう)選手は1973年奈良県生まれ。幼い頃よりレーシングカートに親しみ、JTCC、フォーミュラニッポンなどに参戦。

 2000年には全日本GT選手権(現:SUPER GT)でGT500でシリーズチャンピオンを獲得。ホンダ一筋でレースキャリアを過ごしており「NSX使い」としても有名だ。

 愛車はホンダNSX(初代NSX-R)、そしてシビックタイプR(FD2)など。走るのが大好きでいまでもサーキットのスポーツ走行枠に愛車で繰り出しているとか!?

 2019年もSUPER GT 、GT300にチームオーナ兼ドライバーとして参戦する。

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