■あまりのイージードライブさに感激したヨーク型ハンドル
試乗車に装着されていたタイヤは、ダンロップのSP SPORT MAXX060、前後とも235/50R20。気温は5度で天候は晴天、試乗場所は、高速道路を模擬したクローズドサーキット(上限は100km/hまで)と、特設の市街地コースの2つだ。
まずはヨーク型ハンドルを搭載したRZにて、低速スラロームや直角コーナー、車庫入れなどを体験した。クルマへ乗り込みヨーク型ハンドルを握ると、これまでの正円型のハンドルに比べ、前方視界が抜群に広いことに驚かされた。
そのまま据え切り転舵をしていくと、軽めの操舵力も手伝い、手を離すことなく、楽にフル転まで回すことができることに気づく。ゆっくりと走りながらハンドルを切っていくと、通常のクルマとは全く異なるレベルで、クルマの向きが変わる。
わずかな指先の押し込み具合で、簡単にヨー挙動が発生する感覚は、ほぼカートだ。設計上では片側150度とあるが、市街地を模したコースでも、90度程度まで転舵するシーンは少なく、唯一フル転舵を使ったのは、後退での直角駐車のシーンくらいであった。
あまりにクイックな特性のため、ハンドルの曖昧さがないので、低速での操舵修正は気を遣うことも。ただこれも慣れの問題で、5分もすればクイック特性が身体になじみ、イージードライブさに感激した。
そのまま高速周回コースを走行してみたが、速度を上げると適切にスローなギア比へと可変してくれるので、機敏すぎて気を遣う必要はなくなった(それでも普通のステアリング仕様よりは機敏な動きだが)。
気になったのは、ウィンカーレバーとワイパー操作レバーがハンドル付けとなっていたこと。RZの開発担当者によると、ヨーク型ハンドルではハンドルの持ち替えをしないことがコンセプトであり、どの位置でもウインカー操作ができるよう、ハンドル付けにすると判断したそうだ。
そのため、ヘッドライトの切り替えや、ワイパー動作調節までもが、ハンドルスイッチに移動しており、スイッチが縦に渋滞している。ウインカーに関しては、長年、慣れ親しんだ位置にないので、これに関しては筆者の頭のアップデートが追い付かず、最後まで違和感が強かった。
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