420psの1000台限定車「スカイラインNISMO」登場!! スペシャルなスカイライン400Rに刮目せよ! 

■パワー&トルクアップの効果はいかほどものか?

明らかにノーマルの400Rを凌ぐトルク感が感じられたというスカイラインNISMO。3000rpm前後のトルク感が分厚くなったと筆者
明らかにノーマルの400Rを凌ぐトルク感が感じられたというスカイラインNISMO。3000rpm前後のトルク感が分厚くなったと筆者

 さぁ、では走り始めよう。

 まず加速フィーリングだが、明らかに400Rよりも3000rpm前後のトルク感が厚い。パワースペックは400Rの405ps/475Nm→420ps/550Nmへと、特にトルクが軽自動車1台分ほど増強されている。

スカイラインNISMOの心臓部。V6の3Lツインターボエンジンはノーマル比15psアップ、最大トルクで25Nmアップの550Nmに
スカイラインNISMOの心臓部。V6の3Lツインターボエンジンはノーマル比15psアップ、最大トルクで25Nmアップの550Nmに

 実用域、市街地レベルの一般道走行ではとても扱いやすいトルク特性をも併せ持っている。もちろんアクセル全開にすればトップエンドの7000rpm付近までも一気に吹け上がる。

 全開加速感は400Rよりも明らかに強力だ。このエンジンにはGT500レース用エンジンに携わった開発者が同じ開発設備で手組みによるチューニングが施されているという。

 また、ATの変速スケジュールも専用チューニングされていて、高速道路の上り坂などでの追い越し加速では、強力なトルクを生かしてシフトダウンせずにブースト圧を維持しながら加速。

「SPORT+」のドライビングモードでは逆に高回転を維持しながらレスポンス重視のシフトスケジュールでスポーツドライビングをサポートする。

■タイヤも専用開発品

ノーマルの400Rではランフラットタイヤを装着していたが、スカイラインNISMOはダンロップの専用開発タイヤを履く
ノーマルの400Rではランフラットタイヤを装着していたが、スカイラインNISMOはダンロップの専用開発タイヤを履く

 このパワーアップ、特にトルクアップしたエンジン特性を生かすためにタイヤは専用開発されている。400Rはランフラットタイヤを採用していたがNISMOではランフラットを止めている。

 その理由は軽量化としなやかさを出すためとのことだが、バネ下の軽量化はハンドリングに大きく影響し、特にタイヤは回転するので高速になるほどにジャイロ効果によって応答性などに影響が出るのだ。

 また、リアタイヤの幅を20mm広げた265/35R19に(フロントは245/40R19)して、増大したトルクに対応している。さらにENKEIのMAT工法による専用ホイールを採用していて、それぞれ+0.5Jと+1.0JのF:9J/R:9.5Jとなっている。

 NISMOの車両開発の考え方として「限界性能を超えた時の車両の挙動がドライバーの意図どおりに動くことは、限界領域以下の通常領域では非常に扱いやすい」というものがある。

 確かに限界領域以下では安定性が高く狙ったラインを修正舵もなくトレースする。サスペンションのしなやかさも400Rのようなゴツゴツ感もなく(これはおそらくランフラットを止めたから)、締まりはあるが乗り心地もいい。

■限界領域ではどうか?

アクセルを強めに踏み込んでリアの挙動を確かめたところ、滑り出しが非常にスムーズで安心できたと筆者は指摘している
アクセルを強めに踏み込んでリアの挙動を確かめたところ、滑り出しが非常にスムーズで安心できたと筆者は指摘している

 そこで実際に限界域を超える走りを行ってみた。限界横Gからさらにアクセルを踏み込んでリアの挙動を確かめる。滑り出してもとてもスムーズで安心できるもの。

 また、トラクションコントロールの介入もいつの間にか制御されていて、唐突に入ってギクシャクすることもなくリアスライドを自然に収束させてくれる。

P901活動を経験している神山幸雄氏の味付けが非常にスカイラインNISMO安心感の高さを感じさせてくれるのだという
P901活動を経験している神山幸雄氏の味付けが非常にスカイラインNISMO安心感の高さを感じさせてくれるのだという

 非常に安心感が高い制御とハンドリングなのだ。なるほど、「P901」活動を経験した神山テスターの味付けは、このような細部にまで渡っているのだ。

 サスペンションのチューニングはFスプリングのバネ乗数を+4%、Rスタビのバネ乗数を+44%強化しているだけ。いたずらに硬くなく、タイヤが常に路面を捉えていて、そのインフォメーションも伝わってくる。

 ほかにボディの剛性アップを図るためにフロントガラスとリアガラスの接着に高剛性接着剤を全周に塗布している。これはR35 GT-Rにも採用されていて製造過程で別ラインを通す手間がかかるもの。

次ページは : ■スムーズに動く足と同時に静粛性も向上

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