■LMの真骨頂はやはり後席にあり!
だが、誰がなんと言おうと、LM500hのメインステージは後席だ。ため息が出るほど見栄えがよく、居心地がよかった。靴を脱いで乗らないと罪悪感にさいなまれそうなくらい、ゴージャスである。
旅客機のビジネスクラス以上と実感させるシートは、硬度だけでなく座圧分散性にも気を配っているから、とても快適だ。フルリクライニングが可能だし、伸縮可能なことに加え、ヒーターも内蔵するオットマンも装備している。
気持ちよく横になれ、手元にある取り外し可能なコントローラーだけでなくオーバーヘッドコンソールのスイッチも操作しやすい。
圧巻だったのは、ドライバーとパッセンジャーの間にパーティションを設け、ここに48インチの大型ディスプレイを配置したことだ。飛行機のファーストクラスでもここまでは、と唸ってしまうほどゴージャスな空間を創り出している。
この大型ディスプレイは前方が見えるようにクリアにすることもでき、とても便利だ。また、その下の中央に冷蔵庫、左右には収納ボックスを配置した。遮音材をふんだんに奢っていることもあり、ドライバーとの会話には慣れを必要とする。
■パワートレーンは2.4Lターボハイブリッドだが
気になるパワートレーンは、レクサスRX500hやクラウンクロスオーバーRSなどと同じ2.4Lの直列4気筒DOHCターボに2基のモーターを組み合わせたハイブリッド車だ。
前輪をエンジンとひとつのモーターで、後輪を水冷式モーターのeアクスルで駆動するダイレクト4(高出力対応型4WD)を採用している。エンジンとモーターと合わせたシステム出力は370psあたりだろう。トランスミッションは6速ATを組み合わせた。
車両重量は2トンをはるかに超え、2.5トン近くはありそうだ。だが、重量ボディを力強く加速させていく。しかも唐突な加速ではなく、滑らかな加速フィールである。伸びのよいグッと前に出る感じで、シャシー性能が高いこともあって荒々しさはない。静粛性も素晴らしかった。遮音も行き届いているから、アルファードで気になったタイヤのノイズも上手に封じ込んでいる。
■上質な乗り心地と気持ちのいいハンドリングを両立
サスペンションはストラットとダブルウィッシュボーンの組み合わせで、減衰力可変サスペンションにはレクサスとして初となる周波数感応バルブ付きAVSを採用した。
もちろん、発展型のGA-Kプラットフォームだ。しかもフロントだけでなくリアにもブレースを配し、シャキッと剛性を高めている。構造用接着剤もふんだんに使った。ちなみに試乗車が履いていたのは225/55R19サイズのミシュラン製プライマシーSUV+だ。
閉鎖された敷地内を流して走った程度だが、上質な乗り心地と気持ちいいハンドリングを上手に両立させていることがわかった。スポーティ方向の味付けは、2.4Lのガソリンターボを積むヴェルファイアのZプレミアと似た印象だ。
ちょっと早めのペースで走っても狙ったラインに乗せやすくコントロールしやすかった。攻め込んでいくとボディが重いこともあり、ロールを意識させられる。だが、それと引き換えに乗り心地はいい。
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