近年クルマは高くなってきている。軽自動車でも200万円台に届くモデルも存在するくらいだ。安い新車はないものか…そう考えていた中、なんと新型アルトはエントリーモデルならば100万円を下回るではないか! しかも、そんなエントリーモデルが広報車にラインアップされている! 新型アルトは安くてウマいクルマなのか? 実際にお借りしてチェックしてみた。
文/西川昇吾、写真/SUZUKI、西尾タクト
■リーズナブルすぎるぞ!! アルトエントリーグレードは100万円以下で購入できるってすごい!
今回お借りしたのはアルトのエントリーグレード「A」で、価格は94万3800円だ。
試乗車は、これにメーカーオプションとなるバックアイカメラ付ディスプレイオーディオ(5万5000円)と、ディーラーオプションのフロアマット(1万6115円)、ETC(2万1120円)、ドライブレコーダー(3万7730円)が装着されていて、107万3765円となっている。
オプションの内容を見ても現代のクルマとして必要最低限のオプションをチョイスしているのが見て取れる。
ではこの金額、ぶっちゃけ安いのだろうか? 初代アルトは1979年に47万円という価格でデビューした。
消費者物価指数ベースで言えば、1979年の47万円は2022年だと70万2577円だ。こう書くと24万円ほど高いという声が聞こえるかもしれないが、待ってほしい。
初代アルトには、昔の中古車で言うところの快適装備(エアコン、パワステ、パワーウインドウ)はないし、エアバックもなし、もちろん衝突被害軽減ブレーキはおろかABSすらないのだ。24万円には現代のクルマとして必要な装備が詰まっていると言えるだろう。
そう考えると色々と付けなければいけない装備がある中でのこの金額は、リーズナブルと言えるのではないだろうか。
■気になるエントリーグレードAの装備はどうなっている?
安いって言っても、実際に乗って使ってみて、しっかりとしていなければ意味がない。
街乗りから高速、ワインディングに至るまで色んなシチュエーションでアルトに乗ってみたが、先に結論を述べれば「普通に乗るならこれで充分!」といった印象だ。
装備だけ見てもエアコンは良く効くし、オプションではあるがAndroid AutoとApple Carplayに対応したディスプレイオーディオが備わっていて、1人、もしくは2人で下道を主体で乗るならば充分だ。
もちろん、エントリーグレードだから割り切っている部分はある。リアウインドウは空かないし、ミラーは手動で開閉と調整を行う。
しかし、乗用車と考えたとき不満が出る点と言えば、この辺りくらいだろうか。
それが嫌ならば5万5000円アップで一つ上のグレードであるLを購入すれば問題ない。それでも99万8800円で100万円を切る価格設定となっているのだ。しかも、Lには運転席のシートヒーターまで付いてしまう! それもそれで驚かされる。
バックモニターやオートヘッドライト、パーキングセンサーに先行車発進通知機能まで付いているのに、ミラーが手動でリアウインドウが開かないのもなんだか不思議な感覚だ。
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