もう少し“スペシャル”でもよかった!
Z 50thアニバーサリーモデル の仕立てをさらに見ていくと、白/赤と銀/黒のコンビネーションのカラーリングを用意。
そのうえで、フロントフェンダーにステッカー、リアには50周年記念を象徴するバッジを追加し、ホイールリムにレッドラインを追加した19インチアルミホイールを採用。
インテリアには、レーシングカーをイメージさせるセンターストライプを施したアルカンターラ表皮のステアリングホイールのほか、シートとシフトノブ周りやメーター内に50周年記念ロゴを配するなどの演出を施した。
この Z 50thアニバーサリーモデル は、2020年3月末までの期間限定モデルとしており、車両本体価格を458万8920円(6MT)~466万6680円(マニュアルモード付き7速AT)として2019年7月に発売となった。
ひと言で言うとこのモデルは、現行Zの標準仕様に「デコ・チューン」を施したもので、昨年発売された片山“イエロー”をボディカラーを基本とした「Heritage Edition」と同様の仕立てだ。
振り返って、35周年(Z33型)や40周年(Z34型)の特別仕様車には、エンジン/サスペンションなどに専用チューンが施されていたことを考えれば、トーンダウンしているのが残念だ。
紆余曲折あったZの変化
日産が Z 50thアニバーサリーモデル を紹介するコメントには、Zについて「あらゆるシーンで走る愉しさを満喫できる真のスポーツカー」とある。
これを言い換えれば、Zは“万能スポーツカー”ということになる。このコンセプトは“Zの父”と呼ばれる故・片山 豊氏がかつてインタビューで「Zは誰にも手の届くスポーツカー」と語っていたことを思い出す。
あらゆるスポーツカーメーカーにとって、戦後70年以上の時を経ても、戦いの主な舞台が北米市場であることは不変だ。
Zは1970年代に北米市場から英国生まれのオープンスポーツを駆逐して、日常遣いに堪えうる実用的なスポーツカーとしての地位を確立した。
たとえば、Z32型まで後席に2座を備える“2by2”が設定されていたことがそれをを端的に示している。
いっぽうで、Z32型は「901運動」(とバブル景気)の影響を受けて、フロントエンジン・リアドライブの4シーターモデルとして、当時のポルシェ944に匹敵する走行性能の獲得を目指して開発されたというのはよく耳にした話だ。
Zの歴史をかいつまんで説明すれば、S30型(1969年)とS130型(1978年)によって築かれたマーケットでの地位を、Z31型(1983年)が受け継ぎ、Z32型(1989年)がスポーツカーとしての名声を手に入れたといえる。
2000年9月にZ32型が生産終了してしまったが、約2年後の2002年7月に初代のイメージを復活させたZ33型が発表され、現行Z34型は2008年12月に登場、現在に至っている。
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