走りは初代を受け継いでいるか?
Z34の走りの印象は、ドイツ車的に足回りを固めて上下動を抑え込むようなことはせず、微妙に加減してボディの動きを止めていることがわかる。
あくまで乗り心地を損なわず、長距離移動を快適に過ごせるというのは各世代のZに共通するキャラクターであり、足回りのセッティングに関する考え方はGTカーそのものだ。
Z34はフーガとともにVQ37VRH型を搭載するが、スカイラインの搭載エンジンはすでに3.5L、V6ツインターボのVR35DDTT型に移行しているから、すでに旧世代といえる。
総じて、順次改良が加えられているにしても、設計年次が旧くなってしまっては性能アップには限界がある。
VQ37VHR型もスポーツカーらしい野太い排気音とともにスムーズに回り、トルクも充分なのだが、いかんせんシャープな印象は少々薄い(L型以来の伝統?といってしまえばそれまでだが)が、古典的ではあるが純然たるスポーツカーとしても見た場合、大変貴重なモデルといえるかもしれない。
「この先」があることを切に望む!
今回、こうして初代とZ 50thアニバーサリーモデルの2台を試乗したわけだが、初代から受け継がれている、初代Zが持つスポーツカーとしての志をしっかりと感じ取ることができた。初代と志の異なる現行モデルが多いなかで稀有な存在といっていいだろう。
Z34型も登場からすでに約10年が経つ現在、FR-Lプラットフォームの刷新とともに、最新仕様にリニューアルすることを、ぜひとも西川社長にお願いしておきたい。
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最後に次期フェアレディZが気になっている方へお届けしよう。ベストカー本誌では、新型Z35は、フェアレディZの生誕50周年を迎える2019年10月に開催される東京モーターショーで次期フェアレディZのコンセプトカーを公開する予定。
市販モデルの発売はズバリ、コンセプトカーの公開から約2年後の2021年頃。予想価格は、305psのスタンダード仕様が約500万円、405psのハイパワー仕様が約700万円というあたりが妥当な線となりそうだ。
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