理屈より先に心が鳴る。老舗ホビーメーカーの京商が、全日本模型ホビーショーで投下したのは「ホンモノの空気」。ワイルド・スピード劇中車や、1/43の新作群の数々。そして、小さな車体たちには商品化に携わる人たちの情熱が確かに宿っていた。
文:ベストカー編集部 鈴村朋己 /写真:中島仁菜
【画像ギャラリー】ワイルド・スピードの劇中車がサプライズ登場!! 魅惑の国産車に手のひらサイズのまで京商の新商品たちを一挙大公開!!(55枚)画像ギャラリー全日本模型ショーで披露した商品に対する凄まじい熱量
クルマ好きのハートを、模型で震わせる会社がある。2025年で創業62周年を迎え、ミニチュアカーとR/Cカーを中心に製造・販売を行う老舗ホビーメーカーの京商だ。
オリジナルブランドにとどまらず、国内外メーカーの受託生産も担う同社は、実車ファンのツボを押さえた豊富なラインナップが魅力。実車とミニカーを同じ現場で撮る機会も多く、企画から造形、見せ方に至るまで“ホンモノの空気”を連れてくるのがうまい。
そして近年は、SNSやYouTubeなど写真・映像での見せ方にも磨きをかけている。作って終わりではなく、伝わって届くまでやり切る。その姿勢が、全日本模型ホビーショーでお披露目された新製品の数々にも確かににじんでいた。
ワイルド・スピードの世界へご招待
全日本模型ホビーショーで発表された新商品の最大トピックは、世界的大ヒット映画『ワイルド・スピード』に登場する劇中車たちの製品化が決まったことだ。
ブースの壁面には“FAST & FURIOUS”(※原題)のパネルが掲げられ、上段から順に「1/12 Nissan Skyline GT-R」「1/12 Dodge Charger」「1/12 Toyota Supra」「1/18 Dodge Charger」「1/18 Toyota Supra」の文字が並ぶ。
視線を下へ移すと、すでにデコレーション済みの1/12 Nissan Skyline GT-Rと、未塗装の1/18 Dodge Charger、1/18 Toyota Supraの3台が静かに息を潜めていた。
製品化に向けて京商の開発チームは渡米し、実際に使われた劇中車のスケーリングを実施し、実寸データをベースにモデリングするという、まっとうにして真摯なアプローチを貫いている。
塗装済みの1/12 Nissan Skyline GT-Rを覗けば、ボディの作り込みはもちろん、細部パーツの形状まで“ホンモノ”さながらの完成度。ステッカー配置、ボディカラーのツヤ感まで、一切の手抜きなしだ。
発売は2026年初頭を予定。今回の模型ショーでの展示は、あくまで序章。京商はミニカーを媒介に、私たちを“ワイスピ”の世界へと引き寄せようとしている。
細かい仕掛けが興奮材料になる
名車から大衆車まで、多彩な顔ぶれをそろえる京商オリジナル。なかでも高品質でありながらデスク上にも飾りやすく、コレクションのハードルが低い1/43スケールの人気は群を抜く。
その1/43シリーズに新たに加わったのが、Skyline GT-R(BNR34)。ただし、マニア心をくすぐるポイントは単なるボディカラー違いにとどまらない。
展開される5台のうち3台はVスペックⅡで、ボディカラーはベイサイドブルー、ホワイトパール、ブラックパール。残る2台のうち1台は、N1仕様エンジンを搭載したVスペックⅡ ニュル。
そして最後は、アルミホイールとリアスポイラー可変水平翼部が専用シルバーで彩られるVスペック ミッドナイトパープルⅢ。
同じBNR34でもキャラクターの異なる仕様を用意するこの姿勢に、京商がクルマ好きから愛され続ける理由が滲む。発売は11月、価格は8800円。
さらに京商オリジナルには、ベストカーWeb読者にもファンの多いランドクルーザー70が追加されたばかり。言うまでもなく人気車だが、意外にもミニカーとしての流通は少なめの傾向にある。
ワイルド・スピードのパートでも触れたとおり、実車をもとにスケーリングしているため完成度の高さは折り紙付き。実車のダッシュボードに固定して置けるのも1/43サイズならではの魅力。まずは一度、その相性を試してみてほしい。





























































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