ノーマルを理解することの大事さは両者の共通認識!?
一方の大城さんも岸山さんのクルマを預かることで大きなメリットがあるという。「通常の業務ではできないミッション・機械式LSDの分解組付、そしてロールケージの組付けができるのは、若いメカニックにとって貴重な経験になります。また岸山さんからリアルかつシビアなクルマのセッティングを求められるので、彼らは本当に勉強になると思います」。
もちろん本音を言えば岸山さんとクルマ談議を通じて一番有難いと思っているのは大城さんかもしれない。
「岸山さんは、ナンバー付き車両で走るNクラスに出場しているんです。ノーマルに近いのでいろいろ参考になることが多いです。お客様にカスタマイズの相談を受けた時にも生かさせてもらっています」。
そんなお二人にGRヤリスのカスタマイズの極意を聞いてみた。岸山さんは「ノーマルのバランスがいいので、いたずらにパワーアップに走ることなく、アライメントやデフといったセッティングをしっかりやることで、全然違うクルマになります」と意外なアドバイス。
大城さんも「パッケージを含め、ノーマルはよくできているので、いろいろやってもエラー出まくってしまっては何にもなりません。素の良さを生かしていくのがいいと思います」とノーマルを理解することが何より重要だという。
2026年シーズンはGRヤリス エアロパフォーマンスパッケージで挑戦!
2025年は全日本ダートラチャンピオンに輝いた岸山さんだが、来シーズンはGRヤリス RC エアロパフォーマンスパッケージで出場するべく、現在GR Garage 福岡空港でクルマを製作中だ。
MC後のGRヤリスについて「ガレージから数十m、車速にして20km/hくらいでステアリングの落ち着きが前期型とは違うんです」と岸山さんは語る。さらに「可変式のリヤウイングは空力でかなりの効果がありそうだし、ダクト付きアルミフードも冷却面でかなり違うと思います。そのほか前後のダクトは高速域で安定性をもたらすはずです」と期待を語る。
実際にそのクルマを拝見すると、ロールケージを組付け中で、若いメカニックが一生懸命工夫しながらパッドを装着していた。
「ロールケージはパッドの装着に一番時間がかかるんですよ」と大城さん。
日々若手のメカニックがGRヤリスと格闘しているのを見て、その成長に目を細めているようだ。
「モータースポーツは人材育成」と言われるが、GR Garage福岡空港では、人を育てながら、地元に貢献する姿勢を貫いている。
GR Garage福岡空港は「町いちばんの楽しいクルマ屋さん」を目指すお店だった。
プロフィール・大城明人(おおしろ あきひと) 1988年東京トヨタ自動車株式会社(現 トヨタモビリティ東京)にサービスエンジニアとして入社。1995年トヨタカローラ福岡株式会社に移り九州ラリー選手権にコ・ドライバーとして参戦し始める。2018年GR Garage福岡空港がオープンし店長を務める。その傍らラリー&ジムカーナの九州地区戦に出場し、ドライビングのスキルを磨く。ラリーやダートラ、ジムカーナの参戦サポートには定評があり、頼れる存在だ。
お客様・岸山信之(きしやま のぶゆき)さん 三菱のランエボⅩでダートラを走っていた時にアライメント調整に立ち寄ったのがGR Garage福岡空港。大城さんが岸山さんの熱い思いに共感し、ランエボⅩをサポート。なんとGR Garage福岡空港のステッカーを貼って競技に出場していたというから面白い。現在はGRヤリスRCに乗り、2025年全日本ダートトライアル選手権Nクラスのチャンピオンに輝く。2026年はGRヤリスRC エアロパフォーマンスパッケージで出場予定だ。
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