2021年の東京オートサロンは、緊急事態宣言により「バーチャルオートサロン」のみの開催となった。バーチャルだけに実車と対面できず、残念に思っているファンも多いだろう。
そこでホンダアクセスは、バーチャルオートサロンに出展した2台のカスタマイズカーの撮影会を開催してくれた。
1台は、N-ONE RSをベースにした「K-CLIMB」。Kは軽を、CLIMBはヒルクライムを表している。もう1台は、Honda eをベースにした「e-DRAG」。こちらはEVのドラッグレース仕様をイメージしている。
この2台と対面したのは、デザインにうるさい不肖清水草一。果たしてどんなイメージに仕上がっていたのか。
文/清水草一 写真/池之平昌信【PR】
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N-ONEからシティターボを彷彿とさせる刺激的なルックスに!
新型N-ONEは、ノーマルでも充分にクルマ好きのココロをくすぐる。ルックスは先代とほとんど変わっていないが、新プラットフォームを採用し、走りの質感は大幅にグレードアップ。しかもRSグレードに待望の6速MTが設定された。
その6速MTのフィーリングがすばらしい。S660のシフトフィールも感動モノだったが、あれに近い、カチッとしたホンダらしいショートストロークである。
インパネシフトのためシフトノブの位置が高く、アップライトな着座位置にもかかわらず、シフトを握ったフィーリングは車高の低いスポーツカーに近いのもうれしい。
先代に比べると価格は上昇し、RSだとオプション込みで200万円を超えるが、これは一種のプレミアムスポーツだと考えればそれほど高くはない。
N-ONE RSは、ノーマルでも充分魅力的だが、買ったからにはいじりたくなるのがクルマ好きである。今回の「K-CLIMB」は、そのひとつのスタディモデル。ホンダアクセスが「こういう可能性がありますよ」と示したものだ。
メインは、外装のカーボン化による軽量化だ。まず目に入るのは、カーボン剥き出しで真っ黒なフロントグリル、フロントバンパー、ボンネットフード。いかにも軽そうである。
フロントグリルはノーマルとは形状が異なり、グリル位置が左にオフセットし、右側にホンダのHマークがあしらわれている。これはシティターボIIブルドッグのオマージュだ。
ブルドッグは、グリルが右にオフセットされていたが、それが左に変更されたのは、N-ONEのラジエター位置が中央左だから。なるほど。
また、フロントグリルを縁取るラインは、先代N-ONEを髣髴とさせる。あのフロントマスクは現行N-ONEよりもシンプルで親しみやすかったので、それを復活させたのは我が意を得たりである。
カーボン多用&フェンダーで軽枠突破!? なんでもアリの面白さ
フェンダーは樹脂製のオーバーフェンダーがおごられている、軽にオーバーフェンダーを装着すると軽自動車枠をはみ出してしまうが、あくまでスタディモデルなのでなんでもアリだ。
その他リアバンパーやテールゲートスポイラーもスポーティな形状に変更。サスペンションは言わずもがなで強化されている。
エンジンはノーマルだが、マフラーはリヤバンパーデザインに合わせたデュアルセンター出しのワンオフモデルに換装され、スポーティなサウンドを奏でていた。インテリアもほぼノーマルだが、6点式のロールバーが装備されている。
この「K-CLIMB」、現状はまだ製作途上。4月の完成時には、ボンネットと前後バンパーはカーボン地を生かし、その他はホワイトとイエローにコーディネートされて登場する予定だ。
いかにもホンダ直系らしいスポーティな仕上がりで、一種の伝統芸能とも言えるが、そこに過去のヘリテージを散りばめたところが、中高年のココロをくすぐる。



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