ホンダアクセスといえば、ホンダ車の純正アクセサリーやディーラーで買えるコンプリートカー「モデューロX」を手がける会社としておなじみだ。新車開発と密接に連携した作り込みや、ユニークなアイデアから生まれる製品群は、ホンダ車オーナーの間でバツグンの人気を誇る。
しかしホンダアクセスにファンが多い理由は他にもある。同社は頻繁にクルマユーザーと交流する機会を作り、クルマ好きのナマの声を製品作りにフィードバックしている。大勢の開発者が自らその輪の中に飛び込み、ワクワクやドキドキのネタを拾い集めているのだ。
そんな素敵な取り組みを少しだけお手伝いできればと、同社とベストカーがコラボしてイベントを実施。この日のテーマは「実効空力」。なにやら難しそうなキーワードだが、ホンダアクセスはそれを分かりやすい方法で体感させてくれるらしい。はたしてどんなイベントとなったのだろうか?
文/ベストカーWeb編集部、写真/池之平昌信、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】トークショーありプレゼントありのイベントの全貌はこちら!(27枚)画像ギャラリー空力パーツで日常の走りが変わるの?
11月23日朝8時すぎ。会場となった栃木県のモビリティリゾートもてぎ・第2交通教育センターもてぎに、参加者の乗るホンダ車が続々と集まってくる。その車列を出迎えるのは、大勢のホンダアクセスの開発者たち。自分たちの愛車まで脇に並べて歓迎のご挨拶だ。参加者のクルマはそのままイベントエリアの中央へ環のように駐められた。参加者のクルマもイベントの展示車両として楽しんじゃおうという狙い。なんたる遊び心!
ホンダN-VANをうまく使った受付ブースで受付を済ませると、参加者たちはテントへと誘導された。早速今日のテーマとなる「実効空力」の説明が始まる。マイクを握ったのはモデューロの開発統括を担う福田正剛さんだ。
ふつう、クルマの空力といえば、レースマシンのダウンフォースのような「速く走るため」の空力を連想する。しかしホンダアクセスが提唱する空力とはもっと身近な存在で、ふだんの運転での走りやすさや楽しさに繋がる「気持ちよく走らせるため」のものだという。ホンダアクセスはこれを「実効空力」と名付け、2008年のFD2型シビックタイプR用エアロパーツ以降、モデューロXの開発を通じて技術を磨いてきた。今日は2台のクルマを使って、その効果を体感するのが狙い。1台は、実効空力デバイスを搭載した「テールゲートスポイラー」を装着したシビックタイプR。そしてもう1台は、シビックタイプRの実効空力デバイスと同形状の実効空力デバイス(非売品)を装着したN-BOXだ。
「空力パーツで日常の走りが変わるのか?」誰もが疑問を抱くに違いない。しかしそのモヤモヤを払拭してくれたのが、福田さんに続いて登場したドリキンこと土屋圭市さんのひと言だ。ファンの間では長くホンダアクセスのモデューロ開発アドバイザーを務めていることでも知られる。
「こんなに完成されたシビックタイプRに実効空力だなんて俺も最初は『なに言ってんの?』と思ったよ。ところが雨の群サイ(群馬サイクルスポーツセンター)を走ったら3速4速のコーナーがぜんぜん違う。風の強い日もタイヤの接地が抜けてフワッとならない。今日は実効空力を試すには絶好の雨(笑)。路面のミューが低くてクルマの動きの違いも分かりやすいから、ぜひ皆さん自身で、それを体感してほしいな」
このひと声をきっかけに、いよいよ体感試乗が始まった。参加者はN-BOX組とシビックタイプR組に分かれて試乗を行い、午前と午後で車両が入れ替わる流れだ。
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