新型スカイライン 世界初のプロパイロット2.0は世界一なのか!!?

 今回、スカイラインのリニューアルでハイブリッドモデルに採用された「プロパイロット2.0」が話題になっている。仕事柄、いろんな質問をされるけれど、プロパイロット2.0については、①本当に手放し運転ができるのか? ②手放し運転して違反じゃないのか? という2点に集約されます。以下、たっぷりページがあるということで、しっかり紹介&解説してみたいと思う。【PR】
文:国沢光宏 写真:平野学


■現時点での世界一ですね!

 まず「本当に手放し運転ができるのか?」という質問だけれど「いろんな条件あるけれど世界一ですね!!」と答えておく。高速道路を走行中、制限速度にセットしたと考えて欲しい。スカイラインはハンドルを持っていても離していても、みごとに車線をトレースしていく。こう書くと「ウチのクルマにもレーンキープサポートは付いている」と思う人が多いことだろう。

新型スカイラインとプロパイロット2.0のテストを実施してくれたのは、辛口で知られる自動車ジャーナリストの国沢光弘氏。写真左はスカイラインGT Type P(V6ツインターボ)、写真右はGT Type SP(ハイブリッド)

 ただ真っ直ぐ走るかどうかとなれば、なかなか難しい。少し曲がった区間だと車線の中で左右に泳ぐし、当然ながらハンドルも修正のため動く。なのにスカイラインときたらまったくフラつかず、どっしりと車線の中央をキープします。カーブの区間だって修正舵ほとんどなし。

 聞いてみたらふたつの点で技術レベルから決定的に違うという。プロパイロット2.0には非常に精密な地図が組み合わされており、路面のアンジュレーション(左右方向の傾斜など)までデータに入っているそうな。それを読みながら、ステアバイワイヤを使って走行する。つまり、地図で左下がりの傾斜になっていることを読み込んだなら、ステアバイワイヤで自動的にタイヤを右にホンの少し切るというワケ。

 ふつうのステアリングシステムならハンドルが切られたことがドライバーにもわかるけれど、スカイラインの場合、ハンドルとタイヤは直結していない。ハンドルは真っすぐのまま、ホンの少しタイヤだけ切れる。ドライバーはまったく気づかないレベル。車両周囲のセンシング状況は、インパネに表示が出ます。今回の試乗コースは首都高と中央道を含む高速道路でした。

ハイブリッド車のリアビュー。リアガーニッシュ下の部分がボディ同色となるのはV6、3Lターボ車(304ps)仕様とは異なる

■プロパイロット2.0の技術レベルの高さは運転熟練者でも納得できる!

 ハンズオフの談義になると高い確率で「俺はハンドルを握っていたい」という人に出会う。もちろん握っていたいならどうぞ! でも修正舵をまったく入れる必要ないため、やがて「握っても離しても同じだな」と思うことだろう。プロパイロット2.0に使われている基本的な技術は、将来の完全自動運転も視野に入るほどレベルが高い。クルマを滑らかに走らせる人でも納得すると思う。

 ちなみにプロパイロット2.0が機能する条件は「制限速度+10㎞/hまで」となっており、速度表示板を見て自動的に速度を調整する。

 ジャンクションや、出口では、ACCは作動するが、自分で運転することを薦めておく。また、自車より遅い速度の車両に追いついたら、ハンドル握ってボタン押すだけで自動的に進路変更する。

話題の「ハンズオフ」もチェック。「現時点で世界一!」と太鼓判を押してくれた

 以上、ハンズオフについて紹介してみたけれど、プロパイロット2.0の本質は「現時点で世界一の安全技術」だと私は考えている。高速道路で発生する事故の形態を見ると、単独と追突が多数。原因を調べたら不思議なことに「居眠り運転」が入っていない。まぁ「居眠りしていた」と申告しないため、事故原因で圧倒的に多い「前方不注意」になっているのだと考えられます。

 プロパイロット2.0の素晴らしさは居眠り運転を検出する「ドライバー監視カメラ」と、高精度の衝突被害軽減ブレーキを組み合わせていることにある。このふたつで高速道路を巡航している時の事故を減らせる。具体的に紹介すると、高速道路の巡航中、プロパイロット2・0を作動しておけばクルマが高精度のステアリング制御をおこなって車線の中央をキープしつつ、車間も制御。

 ドライバー監視カメラにより「前方を注視していない」とクルマが判定したら、複数かつ多段に渡る警告や警報を出し(最初はやさしく、徐々に厳しく)、ドライバーに注意喚起する。複数回の警告が発せられたら、居眠りであれば必ず起きることだろう。疾病などで意識不明に陥ってしまったとしても、自動的にハザードを点灯させながら緩いブレーキで緊急停止し、専用オペレーターに自動で接続。

 ドライバーがオペレーターに応答できなかった時は、警察や救急車に通報してくれるから素晴らしい。渋滞の最後端への追突事故に対しても、世界最高精度の緊急ブレーキシステムで事故を未然に防止できる可能性大。

 そのほか、全方位運転支援システムも標準装備されているため、万一事故に遭遇しそうになったら、エマージェンシーブレーキなど回避支援か警報が入る。

撮影車はブラック内装。ハイブリッド車はステアリング右にプロパイロット2.0のスイッチが備わる

 私のように「事故を起こしたくない」とか「ほかの人に迷惑をかけたくない」と考えるなら、日本車ではスカイラインが最高の性能を持ってます。しかも「スカイライン」というブランドにふさわしいパフォーマンスだって持っている。ハイブリッドと聞けば「ECO重視」というイメージだろうが、なんとシステム出力で364ps。アクセル全開にすると驚くほど速い。

 今回のマイナーチェンジで加わった304psのV6、3ℓツインターボ搭載モデルと比べたって互角以上のパフォーマンスを見せる。それでいて燃費もいいのだから嬉しい。スカイラインと言えば「技術の日産」というブランドイメージの象徴のような存在。プロパイロット2.0を装備するスカイラインに乗ると、久々に日産の技術力を感じる。

■304ps仕様の3L、V6ターボも従来型よりも充分にパワフルに!!

 304psの3Lにも試乗してみた。同じグレードで110㎏軽いため軽快に走り、価格も120万円差。売れゆきは好調とのこと。マイナー前のベンツ製2ℓターボ車と比べ、圧倒的にパワフルです。御予算次第で3Lターボを考えるかもしれません。ただ私のお薦めは世界一の技術を使い、世界一事故を起こしにくくなったハイブリッドです。ぜひディーラーで試乗してみてください。

こちらは304ps/40.8kgmを発揮するV6,3Lツインターボを搭載したType Pの走り。ハイブリッド車よりも110kg軽く、軽快に走る

 そうそう。「手放し運転は違法じゃないのか?」という点だけれど、明確に「問題なし!」と書いておく。改めて道交法に書かれている『安全運転の義務』を読むと「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と書かれている。

 この項を見るとふたつの点で興味深い。道交法を読むと「確実に操作し」としか書かれておらず、ハンドルを常時握っていることについては触れていなかったのだ。さらにハンドルと同列で書かれているブレーキに関してはご存じのとおり、先行車追従クルーズコントロールや、自動ブレーキが今や認可されてます。

「確実に操作できれば問題ない」ワケ。また、ハンドルから離した手をどこに置くかだけれど、道交法の基本概念になっているジュネーブ条約では「ハンドルをいつでも握れる位置」となっており、ヒザの上、またはハンドル直近ということになるか。

 いずれにしてもプロパイロット2.0が、交通状況や道路形状などによって自分で操る以外にクルマにサポートしてもらう「選択肢」が加わることはメリットとして挙げられるだろう。

また新型スカイラインには伝統のグレード「400R」も復活した。405㎰/48.4㎏mを発揮する400Rはスカイライン歴代史上最強のスペック。「400R」(R33GT-R)の冠に恥じない。ホイールの間から覗かれるアルミレッドキャリパー対向ピストンブレーキを採用。304ps仕様とはまた違った迫力を持つ

【技術紹介】

■プロパイロット2.0の仕組みと開発の歴史

 プロパイロット2.0はカメラ、レーダー、ソナー、GPS、3D高精度地図データを組み合わせてクルマの周囲360度の情報を把握することで実現させている。これまでに日産は2001年に世界初となるレーンキープアシストを市場導入したのをはじめ、’07年にはアラウンドビューモニター、’10年に後側方衝突防止支援システム、’13年にアクティブレーンコントロールなど数々の世界初技術を投入し、足かけ20年以上もの開発の歴史を積み上げ、数々の世界初技術を統合したのが「全方位運転支援システム」だ。自車を取り巻く全方位の危険からクルマが人を守る予防安全の構築を経てプロパイロット2.0が実現した。

プロパイロット2.0走行時に予期せぬ事象が発生し、ドライバーの意識反応が得られなかった場合、ハザードを点灯しながら他車に注意を促し、徐々に減速〜停車するのがこのSOSコール。緊急停車すると自動的に緊急通報センターに音声接続される

■新型スカイラインは「コネクト」もウリ

 新型スカイラインは車内で動画や音楽、オンラインゲームといったデータ通信量が多いインターネットコンテンツを移動中の車内で楽しめるインカーWi-Fiを用意。サービス利用料は1日500円、1カ月1500円、1年1万2000円でデータ通信が使い放題。接続可能な機器はスマホ、タブレット、ゲーム機にノートPCで最大7台まで接続可能。NTTドコモの4G(LTE)通信速度が日本全国で利用可能に。また、「ドアtoドア ナビ」はドライブプランナー、マイカーファインダー、行き先送信、到着地までナビという4つのサービスを連携させ、クルマのなかはカーナビで降車後はスマホでナビをしてくれるサービスだ。

ドライブプラン作成からカーナビへの送信、降車後はスマホがドライバーを道案内してくれるドアtoドア ナビ

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