スカニアが新たな試験場をスウェーデンに開設!! トレイトングループとして研究開発を加速

スカニアが新たな試験場をスウェーデンに開設!! トレイトングループとして研究開発を加速

 スカニアは新たな研究開発用の試験場の開設を発表した。テストコースとして13kmの舗装路と4kmのグラベル路を備える広大な施設だ。

 新施設はスカニアのみならず、トレイトングループ(フォルクスワーゲンの商用車部門)の車両開発にも活用するという。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Scania CV AB

スカニア、広大なテストコースを備える新R&D試験場

スカニアが新たな試験場をスウェーデンに開設!! トレイトングループとして研究開発を加速
セーデルテリエ(スウェーデン)にスカニアが開設したR&D試験場

 スカニアは2026年10月19日、本社があるスウェーデンのセーデルテリエ(首都ストックホルムの近郊)に新たな研究開発用の試験場を開設したと発表した。広大なテストコースは東京ドームに換算すると約18個分に相当する85ヘクタールの広さで、9億7500万スウェーデンクローナ(約155億円)を投じた。

 新たな施設はスカニアだけでなくトレイトングループ(フォルクスワーゲンの大型商用車部門)の研究開発能力を強化するもので、管理条件下でも実際の条件下でも将来の輸送ソリューションを開発・試験・検証する能力を高める。

 そのテストコースだが、総延長13kmの舗装路と4kmのグラベル路(非舗装路)を備えている。ここで、電動化から自動運転、安全性、車両のダイナミクス、従来型の技術まで多岐にわたる試験を行なう。

 スカニアの社長兼CEOで、トレイトンのCEOも兼任するクリスチャン・レビン氏は次のように話している。

「運送業界の変革により、新技術の開発・検証の方法を継続的に強化する必要が生じています。今回の投資は将来必要とされる能力を構築するとともに、お客様が弊社に期待する安全性、品質、パフォーマンスを保証することを目指しています」。

 走行試験のために開設したR&D試験場では、テープカットの代わりに様々な車両がテストコースを走行し、この施設がサポートする技術・アプリケーションの幅広さを示した。

 これまで外部に委託していたような試験も社内で実行可能になるといい、車両ダイナミクスの試験のために広い専用路面を備え、アクティブセーフティや自動運転技術など、複雑性の水準が異なるシナリオも容易に構成できる。

 同社のCTO兼ブランドアイデンティティ開発責任者のサラ・フォースバーグ氏は次のように話している。

「新技術は実際に機能することを証明して初めて価値をもたらします。新しいR&D試験場は、弊社のエンジニアに試験・学習・検証のための大きな可能性を提供することで、イノベーションをお客様に真の価値をもたらすソリューションへと変えていきます」。

グループとして商用車開発に活用する

スカニアが新たな試験場をスウェーデンに開設!! トレイトングループとして研究開発を加速
テストコースを走行中のスカニアのトラック。左は先般発表された「スカニア・ダイナミック」シリーズだろうか

 制動能力の試験のために、アスファルト、コンクリート、石畳(バサルトタイル)という摩擦特性の異なる3種類の舗装路面に散水機能を備えた。車両の片側だけグリップの異なる状況での制動試験も可能で、さらにバサルトセクションではコーナーリング中のブレーキを試験するためのカーブもある。

 先進運転支援システム(ADAS)の試験では、環境を柔軟に再現する必要があるが、自動ブレーキや車線維持アシスト、ブラインドスポット警報など高度な機能の試験に対応するとともに、自動運転技術を見据えて現実的な交通シナリオを想定し、その複雑性を段階的に高めていくことも可能だ。

 車両開発においては再現性が重要だといい、バンクカーブを含む舗装路の仕様は、長期比較試験に必要な耐久性と均一性を提供するように調整した。実際には(バンクの)最大勾配が22度に達するオーバル(楕円)型のコースなのだが、まるで永遠に続く直線の高速道路のように走ることができる。

 新施設はスカニアのみならず、トレイトングループ内で幅広い研究開発に活用するとしており、グループでR&Dを担当するニクラス・クリンゲンベルク氏は「新たな輸送ソリューションを開発する上で試験・検証能力の強化が必要とされています。新技術を実証されたソリューションとするために、新試験場はトレイトン全体にとって非常に重要です」と話している。

 また、施設の設計では自然環境と生物多様性についても考慮した。建設・輸送において環境負荷の低いエコ・アスファルトやバイオ燃料100%のHVO100を使用し、完成までの排出量はCO2換算の従来比で3万900トン分削減した。

スカニア新R&D試験場の概要
場所: セーデルテリエ(スウェーデン)
投資額: 9億7500万スウェーデンクローナ
面積: 約85万平方メートル
舗装路: 13km
グラベル路: 4km
舗装路面: 23万平方メートル
グラベル路面: 5.4万平方メートル
主目的: 輸送ソリューション開発・車両試験・検証
技術分野: 電動化、自動運転、安全性、車両ダイナミクス、内燃機関

【画像ギャラリー】スカニアが開設した新試験場(8枚)画像ギャラリー

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