2025トラック・イノベーション・アワードはMAN「hTGX」
IToYの選考委員は同時に「トラック・イノベーション・アワード」(TIA)も選考しており、IToYと同時に発表されるが、2025TIAは水素燃焼エンジンを搭載するMANの大型トラック「hTGX」に決定した。IAAトランスポーテーションのプレスデイにてMANトラック&バスのアレクサンダー・フラスカンプCEOが表彰された。
MANは2019年に「aFAS」無人トラックでTIAを初受賞、昨年の「ATLAS/ANITA」自動運転プロジェクトに続き、2年連続・3回目のTIA受賞となった。
IToYによって創設されたTIAは、先進的な輸送ソリューションの中でも革新的な技術に贈られるもので、欧州及び南アフリカの25のトラック専門誌を代表する編集者とジャーナリストが選考している。
MAN hTGXは84票を獲得し、ルノー・トラックスの集配送用プロトタイプトラック「オキシジェン」や、イヴェコの長距離輸送用燃料電池大型トラック「S-eウェイ・フューエル・セル」などを抑え、栄誉に輝いた。
オーストリアのザールフェルデンで行なわれた公道試乗で、IToYのジャーナリストたちが称賛したのは排気量16.8リットルのMAN「H4576」エンジンだった。火花点火式の直列6気筒水素燃焼エンジンである同機は、ディーゼルエンジンと変わらないパフォーマンスとドライバビリティをもたらした。
これとともに高く評価されたのは、同車の「ほぼゼロ」な炭素フットプリントだ。700バール圧力の高圧タンクに貯蔵する56kgの水素は、現状のBEVでは積載量との両立が困難な600kmの航続距離を実現し、排ガスの後処理装置も(ディーゼル車と比較して)シンプルだ。
IToYのジャネンリコ・グリッフィーニ会長は選考委員の決定を次のようにまとめている。
「MANのhTGXは道路輸送の脱炭素において新しい章を開くものです。建設セクターなど環境目標の達成が困難な業界において、従来にはない新しい選択肢を大型トラックに与えました」。
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