生命線となる道路が断たれたらどうする!? 相次ぐ車両火災や自然災害への対策とは?

道路を守る方策

 近年はトラックや乗用車の車両火災も頻発しており、地域に与える影響も大きい。また、事故による通行止めも多発している。どのようにしたら事故による通行止めを回避できるだろうか。私のドライバー経験からの考えを述べたい。

1.通行止めを発生させない上手な道路の使い方

[トンネル内の速度抑制]長大トンネルやトンネル連続区間には速度違反自動取締機(オービス)を設置。乗用車・トラックを問わず、トンネル内で飛ばすクルマが多過ぎる。

[事故・故障にもペナルティー]道路で事故や故障を起こすと、多数の人、顕著な例では都市全体に影響が及ぶ。事故や故障停止に一定のペナルティー(罰金)を検討すべきではないか。違法改造車の故障など、やりたい放題。罰金の徴収にはコンセンサスが必要だが。

[大型車のブレーキ火災防止]トレーラ台車のスプリングブレーキチャンバー整備不良による火災が多発。スプリングブレーキの定期交換を徹底する実効的対策が必要。

[旧車の長大トンネルの制限]長大トンネル(全長5000m以上)や水底トンネルで、製造から20年以上経った車両の通行を禁止する。故障が多い。

2.通行止めが発生した際の対処

[大雪時の対応]大雪による高速道路通行止めの際に、並行する国道に大量のトラックが殺到して、立ち往生が長期化することがある。高速道路と国道が連携した早めの通行止め実施を。また、発送側の荷主や運送会社の慣習にも問題が。実際に通行止めが発生する深夜には、荷主や運送会社に運行に対し決定権のある社員が不在で、運行のコントロールができない。


[重要物資運搬車の事前指定]大雪や土砂災害などで、通行できる道路が限られている場合に、食糧・医薬などの重要物資を緊急的に運搬できるトラック・事業者を事前に指定しておく。災害時に渋滞に巻き込まれないことと、初動を遅れないため。

[フェリーの活用]重要な道路での災害通行止めの際、ネットワークの欠落を補うべく船舶による臨時航路を開設する(形態はフェリー、RORO船、コンテナ船)。こうした「海上バイパス航路」は2016年の熊本地震などで実績がある。フェリーの輸送力は、道路の交通容量に比べれば劣るが、緊急車両や重要物資を輸送することができる。

リダンダンシーの重要性

 現代社会は、道路交通の遮断以外にもシステム障害、停電などさまざまなリスクに晒されている。今年7月には、東海道新幹線の保守車両事故で浜松~名古屋間が丸一日不通に。

 また世界では、クラウドストライク社のセキュリティソフト更新障害により航空、金融、医療などに影響が出た。米国航空大手三社が全世界運航停止(=グローバル・グラウンド・ストップ)をする事態に至った。

 昨年には、名古屋港共通システムのサイバー攻撃被害により、コンテナの搬出入がストップした。いまあるシステムをいかに守るか、また、システムがダメになった時の次の一手を考えておくというリダンダンシー(冗長性)の重要性を感じる。

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