まもなく発売となるスバルWRXには黒いオーバーフェンダーが装着されている。実はフェンダー周りの整流の為に必須のアイテムだ。今回はフェンダー周辺にまつわる、オバフェンとブリフェンの進化の過程に迫ってみる!
世界初公開となった新型WRX! エアアウトレット付きの樹脂製大型フェンダーに注目。このエアアウトレットにより、空気が車輪付近から排出され、前輪タイヤの揚力が減少し、操縦安定性が向上する
リアのオーバーフェンダー後端にはサイドマーカーが装着されている。リアバンパーの両端のエアダクトはリアタイヤ後方から入った閉じ込められた空気を排出し、車体の揺れを軽減
現行XVのオーバーフェンダー。こちらは大径タイヤをホイール内に収める機能性、クロスオーバー車らしい踏ん張りを効かせたデザイン性、そして悪路走行によるボディ保護の必要性から設定されたものだ
2019年末に北米のみ限定で209台販売されたS209。価格は6万3995ドルで885ドルのデリバリーチャージがつくので現在の為替(1ドル110円)で換算すると約714万円 。このS209最大の特徴は22B-STIバージョンをリスペクトして装着されたオーバーフェンダー。フロントフェンダーにはダウンフォースを発生させ、コーナリング時の速度を向上させる役割を持つカナードが装着されている
S209は通常のSTIモデルより全幅が片側約21mmずつ1839mm)に拡大され、265/35ZR19インチタイヤと9J×19インチの鍛造BBS製ホイールを履くためだ。フロントフェンダー上のエアアウトレットはエンジンルームに溜まった熱を逃がす構造になっており、これも新規開発
リアフェンダー後ろ、リアバンパーサイドにはエアダクトが設置されている。サスペンションは、S208に装着されているビルシュタイン製ダンプマチックIIは装着されておらず、専用開発のビルシュタインダンパー(フロントストラットは倒立式)に専用コイルスプリング、強化ブッシュが装着されている
TE27レビン。搭載されたエンジンはT型エンジンのヘッドをヤマハがDOHC化した2T-G型で、115ps/14.5kgmを発生。5速MTと組み合わされた。オーバーフェンダーはスポーツカーの証だった
NISMO R34GT-R Z-TUNE。フロントブリスターフェンダー化により、片側15mm拡幅されている。バンパー、ボンネットともにCFRP製で軽量化と共に、フロント周りの整流も図られている
GRヤリスのブリスターフェンダー。リアフェンダーの膨らみが目立つが、恰好だけではなく、デフの存在する4WD化の為、車体後部にカローラ系のCプラットフォームを移植したことによるものだ
1970年に登場した2ドアハードトップのKPGC10型スカイラインGT-R。2ドア化に伴い、リアにはリベット止めのフェンダーが装着され、ハコスカGT-Rのアイコンとなった
1973年1月に発売されたKPGC110型スカイラインGT-Rは同年4月までに合計197台が生産された。ワークスマシンを思わせるリベット止めの前後オーバーフェンダーが装着されていたが、S20エンジンが昭和48年排ガス規制に適合しなかったため、実際にレースに出場することはなかった
第二世代のR32、R33、R34GT-R、そしてR35GT-Rももう15年となるが、ブリスターフェンダーを有したスタイリングはいまだに色褪せない
カーボン製のエンジンフードやブリスターフェンダーがアグレッシブなレクサスRC Fパフォーマンスパッケージ
240Z。一見すると、艶消しブラックの樹脂製オーバーフェンダーに見えるがバンパーと同色のグレーのFRP製だ。通称Gノーズ(正式にはエアロダイナノーズ)と共に後期型の特徴となった
リベット留めのFRP製オーバーフェンダーが装着。しかしタイヤは純正で余裕でフェンダー内に収まった(サイズは175HR14)。排ガス規制等により動力性能は抑え目で、見た目勝負な時代だった
1972年3月にデビューしたTE27型カローラレビン/スプリンタートレノ。175/70HR13サイズのラジアルタイヤにFRP製(1973年4月以降はスチール製)のオーバーフェンダー(トヨタ車初)を装着
チェリーX1-Rは165/70HR13サイズのタイヤとリベット留めのオーバーフェンダーが特徴。エンジンはA12型直4、1171㏄OHV、SUキャブ×2を装備し80ps/9.8kgmを発生
コルトバージョンRは2006年5月に登場。154psを発生する1.5L直列4気筒MIVECターボを搭載し、ゲドラグ製5速MTが組み合わされた。特徴的なワンモーションフォルムは今も十分にイケている
直4ユニットはベースユニットを、ショートストローク・ビッグボア化したことにより公道仕様で235ps(レブリミットは7700rpm)、DTM仕様で373psを発生。ベーシックな190Eベースと思えぬ過激さだ
巨大なリアウイングと前後のオーバーフェンダーが大迫力。もちろん伊達ではなく、空力面で威力を発揮、リアは最大で57.1kg、フロントには最大21.2kgのダウンフォースを得た
993型911ターボ(4WD)をベースに徹底した軽量化とRR化が行われ、3.6Lツインターボエンジンは430ps/55.1kgmを発生。ストリート仕様とレース専用仕様とその911EVOモデルが存在し、総生産台数197台のうち、ストリート仕様は57台、EVOが11台とされる
片側30mmずつワイドされたオーバーフェンダー。強大なパワーを受け止めるべく、可能な限り太いリアタイヤを装着するため、オーバーフェンダーも半端なく巨大だ
標準モデルの1695mmに対し、ブリスターフェンダーで1745mmの全幅を獲得。50台限定の特別限定車だったが後にカタログモデルに
大型のブリスターフェンダーにより、全幅は標準モデル+55㎜の1625㎜に。このブリフェンは後に登場するカブリオレも採用 。ボンネットのパワーバルジ含めブルドックを思わせる筋肉質な体躯だ
リアから見てもかわいい中にもどう猛さを感じるところが、このクルマの素晴らしいところだ。コンパクトな3ドアにブリスターフェンダーで拡幅。さらにターボエンジン。現在のGRヤリスに通じるところもある気がする
1998年1月に限定400台、500万円で販売された22B-STIバージョン。商品企画は、1997年当時STI(スバルテクニカインターナショナル)の社長を務めていた故・久世隆一郎さんによる「ファン感謝の意味も込めて、WRCに参戦するWRカーのレプリカをスバリストに届けたい」という強い想いから実現
搭載されたのはEJ22改と呼ばれる2212cc、水平対向4気筒ターボエンジンで、EJ20をベースにボアアップ(ボアを92.0から96.9mm)してSTI専用チューニングが施されている。 当時は自主規制もあり280ps/37.0kgmを発生する
スカイライン誕生40周年記念に製作されたスカイラインGT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリー。R33GT-Rをベースに4ドア化。わずか422台のみ製作され、価格は498万5000円
リアドアとリアフェンダーは専用設計。R33は大きくなったボディが影響し、正当な評価が得られなかった不遇のモデル。しかしベース車の剛性が向上したからこそ、この4ドア版GT-Rも成立した
エクステリアは冷却効率のため開口部面積を増やし、フォグランプをビルトインした専用大型フロント&リアバンパー、大型のアウトレットを備えた専用オーバーフェンダー、大型インテークを備えた専用アルミボンネットフード、従来オプションのアルミスキッドプレート、専用ホイールやヘッドランプを装備
2代目エスクードV62.5Lに、専用ブリスターフェンダーなど専用パーツてんこ盛りで作られた特装車。300台限定で262万8000円也。ベース車がアメリカンな見た目で売れ行きが低迷。販売テコ入れのため、投入されたがどことなくファニーである
オーテックジャパン創立30周年を記念して企画された30台限定車。価格は356万4000円で抽選販売となった。ワイドボディに手組みで10ps向上し150psとしたHR16DE型1.6Lエンジンを搭載
全幅は標準モデルのマーチの1665mmに対し、1810mmの全幅はド迫力そのもの。ベースのマーチボレロに対し、ここまでのギャップあるクルマを仕立てるオーテックのプライドを感じる逸品だ
日本車でこれほどの迫力のあるブリスターフェンダー車は見たことがない。ヤリスを名乗るとはいえ、モータースポーツ参戦へのトヨタの情熱と凄みをクルマ全体から感じる
フェンダーに装着されるアイテムとして代表的なものが今回紹介したオバフェンやブリフェンだ。実は他にも走行時にはねた石からボディを守る事に特化したフェンダーアーチプロテクタといったものも存在する
NISMO R34GT-R Z-TUNE。フロントブリスターフェンダー化により、片側15mm拡幅されている。バンパー、ボンネットともにCFRP製で軽量化と共に、フロント周りの整流も図られている