トヨタ「ライズ」の販売に陰りが見えない。登場から既に5年。ライバルも新型を繰り出しているが、その牙城を崩すには至っていない。その強さと様々なきょうだい車が存在する事にも注目し、ダイハツOEM車の強さにも迫ってみる
2016年11月発売から5年経過しながらも常に国内販売台数で上位にランクイン。コンパクトなボディに広い室内、リーズナブルな価格ながら安全装備にも抜かりが無い・・売れる要素はそろっている
ルーミーのボディサイズ及びシート配置。3.7mちょっとの全長に2.1m超えの室内長と1.35mの室内高がもたらす驚異的な広さは軽自動車で培ったノウハウがいかんなく発揮された賜物だろう
後席を利用する全て世代に優しいのが低床フロアと段差のない昇降口。ボディの構造上高いサイドシルの存在するヒンジドアでは実現困難なことをスライドドアで実現!
ルーミーに限らずミニバンで幅広く採用された後席スライドドア。もともと商用車に採用されてきたこの装備をミニバンに採用にあたって電動化により利便性を向上。市民権を得た
こちらはノーマルのG。ノーマルはX、G、ターボモデルのG-Tの3グレード構成。価格は155.65万円(X 2WD)~191.95万円(G 4WD)
こちらはカスタムG-T。カスタムはターボとノンターボモデルの2種類とシンプルなグレード構成。価格は191.4万円(カスタムG FF)から209万円(カスタムG-T 4WD)
兄弟車のダイハツ「トール」。このシリーズの開発・生産はダイハツの担当。よって「トール」が長男坊か?しかし販売ではトヨタ「ルーミー」に大きく水をあけられている。ダイハツディーラーはやはり軽自動車販売がメインなのだ
トヨタ「タンク」。販売当初販売店別モデルとして「タンク」「ルーミー」が存在した。販売数はほぼ拮抗していたが、トヨタ販売店統合により「ルーミー」へ一本化されタンクは役目を終えた
次期型「ルーミー」のベースになるであろうDNGA&eスマートHVを採用したロッキー(ライズ)。トヨタが標榜する良品廉価を実現すべくダイハツの開発陣が知恵を絞っている事に期待!!
ここからはダイハツ生産車のOEM事情に触れてみたい。まずはトール3きょうだいの末っ子!?スバル「ジャスティ」日本初のCVT搭載車の名をまさかOEM車が引き継ぐとは・・・ただこのクルマもダイハツのオリジナルCVT搭載車ではある
お次は商用車シリーズ。ダイハツインドネシアで生産され、輸入される「グランマックス」。見た目トヨタ「タウンエース」だが・・そのベースは実はダイハツの海外生産車だったのだ
その元祖?トヨタ「タウンエース」。ちなみにタウンエースには「ライトエース」という兄弟車があったが、トヨタ販社統合に合わせ、「ライトエース」は終売となった
OEMは更にマツダ「ボンゴ」まで波及。マツダは自社モデルの生産中止に伴い他社OEMに切り替えた。2019年に日産「バネット」のOEMモデルが発売。ところが翌年からは早くもトヨタからのOEMへ変更と目まぐるしく変わっている
もう1つ・・「プロボックス」にも触れたい。この車はダイハツ京都工場で生産されるが、ほぼ全量トヨタに供給される。ほぼ全量と書いたは、実はこの車両にもOEMモデルが存在するからだ。もしやスバル??
実はマツダが正解。「ファミリアバン」である。かつてのマツダファミリーカーの代名詞「ファミリア」を継ぐクルマが今も存続していた事自体が驚きだ。このようにダイハツのOEM車が日本のクルマ社会を支えている一面もあるのだ