欧州各国の自動車税はどうなっている?
欧州各国を見ると、ドイツはCO2排出量と排気量、フランスはCO2排出量と燃料種類と馬力、イギリスはCO2排出量と燃料種類となっていて、CO2排出量を柱としつつ、他の要素を加味する形になっている。
日本の場合は、現状すでに自動車税とは別に重量税がある。これは道路の損傷に応じた負担を求めた道路特定財源だったが、現在は一般財源化したため、課税根拠がなくなったとして廃止を求める声も上がっている。スジとしてはその通りだが、代替財源がないため存続している。
ただ、その税額は、乗用車で500kg毎に4100円/年。これはあまりにも刻みが粗すぎる! 一方、軽自動車は一律3300円/年と、十把一からげに優遇されている。
まずは重量税の刻みを、100kgあたり800円等、もっと細かくすべきだ。軽自動車も、アルト(610kg~)とウェイク(~1060kg)では大差がある。重い軽自動車は軽本来の主旨から外れているのだから、それなりの負担増を求めて公平化すべきではないか。
日本の自動車税はどう変えるべき?
いよいよ本題の自動車税だが、こちらは、CO2排出量を基準にするのが、最も理にかなっていると考える。
現在、登録車の自動車税は、2万5000円~11万1000円と4倍余りの幅になっているが、現行国産車のJC08モード燃費を見ると、プリウスの40.8km/Lからレクサス LXの6.5km/Lまで、6倍強の差がある。
CO2排出量にざっと計算し直すと、56g/kmから354g/kmになる(JC08モードを自動車税の基準に使おうというわけではなく、単なる目安)。
税額とCO2排出量を比例させ、プリウスが2万円/年、レクサスLXが12万円/年程度に設定すれば、現行の負担水準をより公平化することになり、広く納得が得られるのではないだろうか。
もうひとつ、クルマ好きにとっての不満のタネは、古いクルマの自動車税が割増されてしまう点だ。現在、ガソリン車は13年超、ディーゼル車は11年超で割増が適用されている。
個人的には、この制度を一概に否定はしない。環境にやさしくて安全な、より新しいクルマへの買い替えを推奨する税制はあってもいい。
ただ、たとえば25年を経過したら元の税額に戻すとか、そのうえで年間走行距離が2000km以内なら、ヒストリックカーとして税を軽減するといった制度を、欧州にならって設けていただきたいものである。
私も現在、1989年製のフェラーリ328GTSを所有している。排気量は3.2Lなので、本来の税額は5万8000円だが、これが約15%割り増しされ、年に6万6700円取られている。
年間走行距離は2000km程度。燃費は平均して7km/L程度と良くはないが、走行距離が短いので、環境への負荷は決して重くはない。
個人的には、自分のフェラーリに対して、年間7万円弱という自動車税を高いとは思っていない。古くなってもフェラーリは贅沢なクルマだし、残存価値も高く、税金を安くしろと言えた義理ではない。
しかし、いつか日本にも、古いクルマを文化財として保護する精神が芽生えてくれたら、うれしいとは思っている。
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