新型フォレスターはストロングハイブリッドを搭載したことがトピックだが、素晴らしいのは4WDを電動化せず、メカニカル4WDを踏襲してきたこと。やっぱしフォレスターはこうでなくちゃ!
文:ベストカーWeb編集部/写真:スバル、ベストカーWeb
リアモーターじゃなくてよかった!?
クロストレックに続き、ストロングハイブリッドを搭載したスバルの新型フォレスター。ご承知の通りハイブリッドシステム自体はトヨタ製だが、水平対向エンジンと組み合わせるにあたり大幅な最適化が行われた。
中でもスバルのこだわりを感じるのは、メカニカル4WD(スバル的にはAWD)を継続採用したこと。近年はハイブリッド化に伴いモーターを使った電動4WDが増えているだけに、こいつは貴重なクルマだといえる。
おまけにスバルの4WDは、エンジンから駆動系が左右対称となるシンメトリカルAWD。重心の低さや4輪の荷重バランスという点でも有利だ。
【画像ギャラリー】エンジンから後輪まで左右対称のスバルAWDのお姿をチェック!(8枚)画像ギャラリーパワーユニットの全トルクを1輪に伝えられる!
メカニカル4WDのメリットとして大きいのは、エンジンが4輪と物理的に繋がっているため、各輪へのトルク配分の自由度が高く、しかもその伝達が瞬時に行われること。
たとえばFFにリアモーターを組み合わせた電動4WDで雪道を走り、前2輪、後ろ1輪がスタックしたとしよう。このときクルマはタイヤの回転差を検知し、リアモーターに「スタックしていないほうの車輪にトルクを伝えろ」と指示するわけだが、この時伝えられるトルクは、リアモーターのトルクの片輪配分量の最大値が上限となる。
しかしメカニカル4WDは違う。エンジン+モーターの発生する全トルクを、グリップしている1輪に伝えられるため、まさかの時の脱出性能が高まるのだ。
このトルク伝達が瞬時に行われる点も素晴らしい。電動4WDはセンサーが回転差を検知して演算を行い、モーターに指示を渡すまでにわずかな時差が生じるが、メカニカル4WDはすべてを物理的に伝達するから、応答遅れが生じないのだ。
もちろんメカニカル4WDにも、構造的に重く、複雑になるというデメリットはある。しかしそれを承知で採用したのは、このシステムがスバルのアイデンティティであることの意志表示に他ならない。
スバルと並んで4WDを得意とする三菱は、PHEV化によりモーター式4WDへと進化した。そんな中でスバルのメカニカル4WDは、より存在感を増したといえる。
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