2025年6月5日、日産自動車は、東風日産が今年4月に中国市場で発売した「N7」の受注が絶好調なのを受けて(一カ月で17215台受注)、報道記者向けに会見を実施。日本導入の可能性や「どんなところが画期的か」を語った。記者からの「これは日本市場導入の計画があるのか?」という質問に、東風日産の商品企画部長・呉越氏は「我々は中国市場での商品戦略について、in China,for China,to Globalを掲げており、基幹車種となるこのN7ももちろん世界展開を考えています。ただ日本市場にこのクルマを入れるか、という点については、しかるべきタイミングでお知らせします」と回答。うーん、なるほど。以下、マジで中国で大ヒットしている「N7」の紹介と、会見で語られた内容を整理してお届けします。
文:ベストカーWeb編集部、画像:日産自動車、東風日産
【画像ギャラリー】これは…確かに…売れそう……日産新型BEVセダン「N7」全画像(26枚)画像ギャラリー■「N7」の概要とスペック。満充電で500km超が普通になってきた…
2025年4月27日、中国市場で正式発売された東風日産「N7」(世界初披露は2024年の広州モーターショー)は、中大型クラスの純電動セダンだ。上述のとおり発売以来、中国(主に東部)の各日産販売店で大きな反響となり、発売後1カ月で17215台を受注したとのこと。これは中国市場でもトップクラスの売れ行きだという。
「N7」のボディサイズは全長4930×全幅1895×全高1484~1487mm、ホイールベース2915mmで、同セグメント最高峰の室内空間を実現している(全長で比べるとクラウンクロスオーバーと同じくらい)。
プラットフォームには「天演架构(Tianyan Architecture)」を採用し、前輪駆動(FF)の電動パワートレインを搭載。
バッテリーは58kWhおよび73kWhのリチウム鉄リン酸(LFP)セルで構成し、いずれも「無熱蔓延超安全バッテリー」として146項目の高水準テストをクリア、2026年施行の新国標にも先行対応している。
モーター出力は58kWhモデルが160kW(218PS)、73kWhモデルが200kW(272PS)、いずれも最大トルク305Nmを発生。航続距離は73kWhモデルで635km(CLTC換算)、58kWhモデルで510km(CLTC換算)を達成する。急速充電は、バッテリー残量10%→80%を約19分で完了し、CLTCモードで約444km分(10→80%相当)の走行を可能とする。
ここまでスペックを読むと「まあなかなかいいBEVだね」と感じるくらいだと思うが、「N7」が本気を出すのはこれから。「内装」と「価格」がなかなか驚く。
■快適装備と先進技術、「AIで零圧(ゼロプレッシャー)シート」ってすごくない?
「N7」最大の売りは内装における快適装備。たとえば「AI ゼロ・プレッシャー・クラウド・クッションシート」。49個の高精度センサーと19個のインテリジェントエアバッグで個々のドライバーの体型を解析し、全身SPA級12点マッサージや通気・加熱、アクティブサイドサポートを組み合わせる(マジで公式の車種紹介に「全身SPA級」と書いてある)。
この技術は「千人千椅」と称され、中国自動車研究所の「舒适之星」やドイツTÜVラインランドの「Automotive Seat Comfort Certification」を取得した。
また、業界初の「全域智能防晕车技術(インテリジェント・クルマ酔い防止)」を搭載し、底盤・動力・座室・ADASを統合して乗員の快適性を向上させている。中国のBEV、こういう方向に進化するのかーと感慨深い。親戚にクルマは好きだけどクルマ酔い傾向が強い小学生がいるので、ぜひ乗ってほしい。
インテリアは「家的温柔(家庭のやすらぎ)」がテーマで、森緑/雪白、雅灰のツートーン配色を採用(カラー名称が雅だ)。15.6インチ2.5K超高精細センタースクリーン(画面占有率88.3%、ピーク輝度1,000nit)や910Wプロクラスサウンド、大容量(最大5.8L)冷暖両用冷蔵庫、超大型パノラマサンルーフ(99.9%紫外線カット)を標準装備し、20万RMBクラス相当の快適性を11万~14万RMBの価格帯で提供する。




























コメント
コメントの使い方