■価格設定と日本円換算、これで「200万円台前半から」ってマジ?
いよいよ販売価格だ。ここがすごい。「N7」のグレードは全5種で、上述のとおり販売価格は11.99万~14.99万RMB。2025年6月時点の為替(1RMB=約19.7円)で換算すると、以下の通りおおよその日本円表記になる。
510 Air(11.99万RMB)…約236.2万円
510 Pro(12.99万RMB)…約255.7万円
510 Max(13.99万RMB)…約275.2万円
625 Pro(13.99万RMB)…約275.2万円
625 Max(14.99万RMB)…約294.6万円
「AIクラウドシート」は、510Airにはついていないがそれ以外のモデルには標準装備、「全域智能防晕车技術」は全車標準装備となる。また、Snapdragon 8155+L2 ADASを搭載するPro、Snapdragon 8295P+MomentaエンドツーエンドADAS+AIクラウドシートなどを備えるMaxまで、快適性と先進技術を段階的に選べる価格設計となっている。
■中国市場での反響がとにかくすごい
東風日産は、発売当日に累計受注台数が1万台を突破し好調なスタートを切ったと発表。その後、一カ月で累計1.7万台の受注を積み上げた。中国の自動車情報サイト「汽车之家」では試乗レポート・ユーザーコメントが活発で、「11万RMB台でここまで装備が充実するとは驚き」、「AIクラウドシートの快適性が圧倒的」、「静粛性と走行性能のバランスが秀逸」といった評価が相次いだ。
専門メディア「懂车帝」も、「空間・航続・インテリジェント機能の三拍子が揃ったファミリー向けEVとして完成度が高い。一方、ADASの熟成度ではXpeng P7+やBYD漢EVにやや劣る面もある」と総評している。

業界ニュースサイトでは「破格の価格設定にもかかわらず、上級装備を多数搭載し、コストパフォーマンスで差別化を達成」と報じられた。
■中国市場の超激戦区、ライバル車比較
「N7」が競合する「11万~15万RMB(約210万~300万円)クラスの中大型BEVセダン市場」では、以下が主なライバルとなる。
BYD漢EV(BYD Han EV):2025年モデルは17.98万~23.58万RMB(約354万~463万円)。Blade Battery搭載で最大航続605km(CLTC)、DiPilot 3.0によるL2.5相当のADASを備える。N7より価格は高めだが、航続とADAS性能で優位。
Xpeng P7+(小鵬P7+):2025年モデルは18.68万~19.88万RMB(約368万~392万円)。最大航続685km(CLTC)、XPILOT 3.0で都市・高速対応の自動運転支援を提供。N7より高価だが、走行性能とADASでリード。
Zeekr 007(極氪007):20.18万~26.88万RMB(約397万~529万円)。最大航続712km、800V超急速充電対応のプレミアムEV。N7より大幅に高額だが、上級な質感と充電性能が魅力。
Geely Galaxy E8(吉利银河E8):約20万RMB前後(約394万円)。最大航続630km、L2相当ADASを標準装備。N7より高価だが、ブランド価値と安全性能に強み。
Lynk & Co Z10(領克Z10):約20万~25万RMB(約394万~492万円)。サブスクリプションモデルを前提とした独自ビジネスモデルと欧州調デザインが特徴。N7より高価格だが、柔軟な所有形態で差別化。
Aion S/BYD秦Plus EV:約10万~15万RMB(約197万~296万円)。航続距離400~500km程度でコスト重視ユーザーに支持される。N7はこれらを上回る快適装備で差別化を図る。
ライバル車や市場価格を見ると、新型「N7」がいかに競争力が高いかが分かる。
「11.99万RMB≒約236万円」から手に入る中大型EVとして、AIクラウドシートや全域智能防晕车技術、Snapdragon 8295P+MomentaエンドツーエンドADASなどを装備し、この価格帯では類を見ない充実度を実現している。航続距離やADAS成熟度でライバルに劣る面はあるものの、「快適性×コスパ」という価値提案がビジネスファミリー層を強く引き付けている。
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