2026年7月16日、約16年ぶりのフルモデルチェンジを果たした新型エルグランド。その興奮も冷めやらぬ発表当日、日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)からカスタムカー4仕様が発表された。プレミアムスポーティ仕様の「AUTECH」、精悍な「AUTECH LINE」、ショーファーカー志向の「VIP」、そして乗降性を高めた「ステップタイプ」だ。最上級のVIPは869万8800円と、あのアルファード エグゼクティブラウンジに真っ向からぶつかる価格設定。4仕様それぞれの中身と価格を整理していこう。
文:ベストカー編集局長T、画像:奥隅圭之、日産モータースポーツ&カスタマイズ
【画像ギャラリー】湘南の海をまとった新型エルグランド「AUTECH」ほかカスタム4仕様を写真で見る(22枚)画像ギャラリー湘南の海をまとうフラッグシップ「AUTECH」は8月上旬発売
日産モータースポーツ&カスタマイズ(本社:神奈川県茅ヶ崎市、以下NMC)が発表したのは、新型エルグランドをベースにした「AUTECH」「AUTECH LINE」「VIP」「ステップタイプ」の4仕様。いずれも日産の販売会社を通じて全国で販売され、AUTECHのみ8月上旬、そのほかの3仕様はベース車と同じ7月16日から発売されている。
まず最注目は、やはりブランドの看板を背負う「AUTECH」だろう。エルグランドのAUTECHとしては2代目となり、NMCいわく「AUTECHブランドのフラッグシップモデル」だという。ベース車は上級グレードのG e-4ORCEで、価格は824万7800円。標準のG(757万9000円)との差額は約67万円。
「た…高い……」と思った皆さん、ご安心めされよ。純正エアロは下取り時に査定大幅アップが見込めるから、そこで差額ぶんはかなり埋まると考えていい(丁寧に乗っていれば丸々補えるケースも多々あり)。
デザインのモチーフは、ブランド発祥の地である湘南・茅ヶ崎の海。海面の煌めきを表現したドットパターンのフロントグリルに、ボートの後方に生じる波「航跡波」をモチーフとしたシグネチャーLED、波打ち際の白波をイメージしてボディ下部に配したメタル調フィニッシュパーツと、徹底して「海」で統一されている。足元を固めるのはダーク金属調塗装の専用18インチアルミホイールだ。
インテリアはブラック基調に、AUTECHの象徴であるブルーステッチを随所に配置。シートには、しっとりした触感にこだわって新開発したというプレミアムナッパレザーを採用し、漣(さざなみ)からインスパイアされた専用キルティングをあしらう。ボディカラーはディープオーシャンブルー×ミッドナイトブラックの専用2トーンを含む全6色をラインナップする。
精悍でクールな「AUTECH LINE」は2グレード展開
「そこまでの装備は要らないけれど、標準車とはひと味違う精悍さが欲しい」という人に向くのが「AUTECH LINE」だ。ダークメタルグレーのフロントグリルと専用フロントプロテクター、専用18インチアルミホイール、メタル調フィニッシュのドアミラーで外観を引き締め、シート地はブラックで統一。包まれるような心地よさをうたう「テーラーフィット」素材を採用する。
グレードはX e-4ORCEベースの「AUTECH LINE e-4ORCE」(717万9700円)と、G e-4ORCEベースの「AUTECH LINE e-4ORCE “G-spec”」(778万4700円)の2本立て。ベース車との差額はいずれも30万円以下に収まっており、カスタムカーとしては手を出しやすい価格設定といえる。
869万円の「VIP」はアルファードの牙城を崩せるか
今回の4仕様で最も高価なのが、ショーファーカーとしてのニーズに応える「VIP」。ベースはG e-4ORCEで、価格は869万8800円。標準のGから約112万円高となるが、そのぶん装備は相当に豪華だ。
ハイライトは、没入感あふれる3Dサラウンド再生により「車内がまるで映画館にいるような音響空間」になるというBOSEの22スピーカープレミアムサウンドシステム。さらにルーフ取付タイプの15.6インチ後席専用モニターや読書灯(ルーフ部左右)も標準装備する。乗降時には「ELGRAND VIP」の文字を路面に映し出すウェルカムイルミネーションと、照明機能付きのオートステップがゲストを迎える演出も心憎い。
これちょっとガチでかっこいい。ぜひ公道で乗ってみたいぞ。
インテリアは全体をブラック基調とし、シートにはグレーステッチのプレミアムナッパレザーを採用。ボディカラーには、新型エルグランドの目玉色「FUJI DAWN -フジドーン-」と「至極 -シゴク-」を組み合わせたプレミアム2トーンも用意される。
気になるのはライバルとの関係だ。トヨタ アルファードの最上級グレード、ハイブリッド エグゼクティブラウンジは、2026年6月の一部改良後で864万9300円(2WD)〜886万9300円(E-Four)。VIPの869万8800円は、まさにそのド真ん中に飛び込む価格設定だ。しかもVIPは全車4WD(e-4ORCE)だから、駆動方式を揃えてE-Four同士で比べれば、VIPのほうが約17万円安い計算になる。
後席のもてなしで一日の長があるアルファードに対し、e-4ORCEの走りとBOSE22スピーカー、イルミネーション演出で武装した元祖VIP仕様の新型エルグランドがどこまで食い込めるか。Lクラスミニバン市場の新たな見どころになりそうだ。
「ステップタイプ」は家族みんなへのおもてなし仕様
最後の「ステップタイプ」は、乗降性に特化したユニークな仕様だ。助手席と助手席側スライドドアから乗り降りする人が同時に使えるロングステップを装備し、助手席側の前後どちらのドアの開閉とも連動して自動で展開・格納する。
ステップの踏面に加えてステップ下の路面まで照らすイルミネーションを備え、暗い場所でも足元は安心。路面、ロングステップ、車両のキッキングプレート、フロアそれぞれの段差寸法を極力揃えることで、自然でスムースな乗り降りを実現したという。子どもから高齢の家族まで、幅広い年齢層に効く「おもてなし装備」だ。
ベースはX e-4ORCE(714万6700円)とG e-4ORCE(782万8700円)に加え、AUTECH LINE e-4ORCE(742万9400円)、同“G-spec”(803万4400円)にも設定されるのが面白いところ。スタイルと乗降性を両取りしたい人には、AUTECH LINEベースのステップタイプという選択肢もアリだ。
車種
ベース車
価格(消費税込)
AUTECH
G e-4ORCE
824万7800円
AUTECH LINE e-4ORCE
X e-4ORCE
717万9700円
AUTECH LINE e-4ORCE “G-spec”
G e-4ORCE
778万4700円
VIP
G e-4ORCE
869万8800円
ステップタイプ
X e-4ORCE
714万6700円
ステップタイプ
G e-4ORCE
782万8700円
ステップタイプ
AUTECH LINE e-4ORCE
742万9400円
ステップタイプ
AUTECH LINE e-4ORCE “G-spec”
803万4400円
これで新型エルグランドは、発売と同時に素の2グレードとカスタム4仕様(ステップタイプの派生を含む)を合わせた計10バリエーションという布陣が出揃ったことになる。パワートレインは全車が第3世代e-POWER×e-4ORCEの4WDで共通だから、選ぶポイントは純粋に「見た目」と「過ごし方」。さて、あなたならどのエルグランドを選ぶだろうか。ぶっちゃけどれもカッコいいぞ。これが新型エルグランドの販売の中心になっても驚きません。
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