2017年3月にフルモデルチェンジされたミニクロスオーバーは、その大きさについて「この大きさはもはや〝ミニ〟ではない」、などと揶揄されたものだが、今や〝ミニ〟は大きさをイメージするのではなく、新しい時代の自動車ブランドになっているのだ。
そんななかで、「大きくなったミニのなかでも最も大きい最新クロスオーバー」に乗ってみると、欧州が本気で作ったPHEVの真髄を発見。以下、それをご紹介したい。
文:ベストカー編集部(本誌宇井)
ベストカー2017年7月10日号
■新型ミニクロスオーバー、まずはディーゼルのみ、の衝撃
2017年2月、2代目となるミニクロスオーバーの日本仕様が発表され、まずはディーゼルが発売、のちにハイブリッドが追加されることが明らかにされた。
当面ディーゼルだけに絞られることに驚かされたが、先代モデルでは実に7割がディーゼルということもあり、売る側としてはある意味まっとうな判断ということもできる。
実際、日本のマーケットを見ると、特に日本車にかぎれば、「コンパクト」「ハイブリッド」「自動ブレーキ」(アシスト)が人気御三家で、これに続いて「多人数乗車」「ディーゼル」「SUV」といったキーワードが並ぶ。
新しいミニクロスオーバーはこのうち「ディーゼル」と「SUV」、「自動ブレーキ」が当てはまり、今後さらに「ハイブリッド」も加わるのだから、売れないわけがないといってもいいほどだ。
ま、最終的に日本車ならこれで250万円以下、という条件がつくわけだが、新しいミニクロスオーバーは、日本で売れる多くの要素を持っているのは間違いない。
今回そのミニクロスオーバーの、個人的には本命とも思えるプラグイン・ハイブリッド車両に乗るチャンスに恵まれた。正式名は「ミニクーパーSEクロスオーバー オール4」。
すでにオーダーも受け付けていて、早ければ7月からデリバリーも開始されるそうで、当初の予定よりも早く日本に導入されそうだが、ひと足早くちょっと遠方のスペイン・バルセロナでその魅力を探ってみた。
■なぜ「プラグインハイブリッド」が本命なのか
本命という理由は、走る楽しさ、それに環境対応と運転支援システムなどトータルで考えると、ディーゼルモデル以上に、今求められる技術が凝縮されているように思えるからだ。
価格的にもディーゼルの最上級グレードクーパーSDクロスオーバー オール4よりも4万円安い479万円。
このハイブリッドシステムはBMW2シリーズに採用されているものとほぼ同じで、1498cc、直列3気筒ターボ、136psエンジンをフロントに、88psのモーターをリアに設置。
トータル出力224psというパフォーマンスを誇る。このパフォーマンスの高さがハイブリッドのイメージを変えることに成功していて、燃費と走りの楽しさを両立していることが実感できる。
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