新エンジンの他車種への展開とアセント日本導入の可能性
さて、気になるのは「このエンジンが他の車種にも搭載されるのか?」ということ。
スバル広報部は「今のところ(アセントの)専用エンジンです」と言うものの、たった1台だけのためにエンジンを新開発するのは、コスト的にも現実的ではない。
スバルは2020年までの中長期計画のなかで、「全車のエンジン直噴化」を掲げている。
北米市場におけるスバルのエンジンラインナップは2L、2.5LのNAエンジンが中心で、その上には3.6Lの水平対向6気筒エンジン(非直噴)があり、アウトバックに搭載されている。
であれば新しい2.4Lターボは、この3.6Lエンジンを置き換える存在と考えるのが妥当。
さらに非直噴の2.5Lターボ(EJ25)を搭載する北米仕様のWRX STIにも、エンジンの直噴化が必須であることから搭載の可能性がある。
となれば、日本で最も可能性が高いのはアウトバックへの搭載だ。同車には先代モデルまで3.6Lボクサー6を搭載したグレードを用意していたものの、現在は2.5LのNAエンジン一本。このユニットも直噴化が課題だ。
2Lの直噴ターボ(FA20)を搭載するという声も聞かれるが、それではひと回り下のレヴォーグ/WRX S4との差別化が難しい。そこで、アウトバックへの2.4Lターボ搭載が現実味を帯びるというわけだ。
肝心のアセントそのものは、早期に日本へ導入される可能性は低い。ただ、スバルはクロスオーバー7の生産終了を決めたことから、7人乗りのラインナップを日本で持たないことになる。
マツダはミニバンから撤退する替わりに、7人乗りSUVのCX-8を日本へ導入した。スバルにとってもアセントの日本導入は、「7人乗り」を求めるユーザーの受け皿になる。
しかも、日本で販売される大型SUVは、ランクルを始め500万円超となるなか、300万円台となる見込みのアセントは価格競争力も高い。
日本導入へ向け、追い風が吹いてきた。
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