■新型MDXの真骨頂は美しいインテリア
一方で、インテリアも大胆な進化を遂げている。ダッシュボードは、薄型デザインに変更され、中央には、12.3インチのワイドスクリーンをオンダッシュに装着。これはアキュラ史上最大のもの。
その下には、操作系ボタンが備わるが、ユニークなトランスミッションのシフトボタンも見事にデザインに取り入れ、洗練されたコクピットとなっている。メーターパネルもフル液晶タイプとなり、ステアリングには操作系ボタンが集約されている。
目玉となる装備のひとつがオーディオシステムで、ELSスタジオ3Dプレミアムオーディオシステムは、1000W以上の出力と25スピーカーを備えるもので、グラミー賞を8回受賞した音楽プロデューサー兼サウンドエンジニアであるエリオットシャイナーがチューニングを手掛けたという。ここまでのシステムは、アキュラ初となる。
しかし、MDXのインテリアのハイライトは、どんな先進機能よりも、美しく上品なインテリアの仕上げだろう。
2トーン仕上げのレザーステアリング、シートなどのトリムに施される細やかなステッチ、風合い豊かなレザーやウッドなど、他のラグジュアリーブランドにも引けを取らない上質な雰囲気づくりに注力している。
この仕様が標準かは不明だが、贅を尽くしたインテリアは、オーナーの所有欲を満たしてくれるはずだ。
キャビンの空間は、3インチのホイールベースの延長により、3列シートの全ての足元が広げられるだけでなく、ラゲッジも拡大される。頭上は、超ワイドパノラマムーンルーフも備わり、ファーストクラスの快適さを提供するという。
■基本骨格を一新し、2種のV6エンジン搭載
高級車の格を上げる要となるプラットフォームも刷新。新たな小型トラックのプラットフォームが使われる。トラックというと堅牢さをイメージさせるが、運動性能に優れたハンドリングや洗練された乗り心地、そして高い静粛性を実現させるもの。
これは標準車だけでなく、ハイパフォーマンス仕様の「タイプS」の設定も考慮した仕様で、フロントサスペンションには、MDX初のダブルウィッシュボーン式を使用。
さらに第4世代のSH-AWDや4輪のブレンボ製4ポッドブレーキキャリパー、21インチアルミホイールなど、MDXの高いポテンシャルを支えるパーツも積極的に取り入れられている。
パワートレインは、標準車が3.5LのV6エンジンに10速ATの組み合わせ。目玉となるハイパフォーマンスモデル「タイプS」は、専用の3.0L・V6ターボを搭載し、最高出力355hp、最大トルク354lb-ftが発揮される見込みだ。これはアキュラSUV最強のスペックとなる。
■来年にはタイプSも追加! 日本再上陸の可能性は?
現行型MDXは、過去2年間に100万台が売れた米国で最も売れる3列高級SUVとして、大成功している。これはアキュラ史上もっとも成功したミッドサイズセダン「TL」の記録を上回るものだという。それだけにアキュラとしても、MDXには、かなり力が入っているわけだ。
米国では、年明け早々に、MDXが第4世代へとシフトし、2021年夏に「タイプS」の投入を予告している。
日本では、小型SUVしか成功していないホンダだが、SUVブームの今、徹底した作り込みを図った新生MDXなら、かなり期待できそうだ。しかし、そのためにはハイブリッド仕様が求められるはず。
ただ、現時点で予告されるのは、エンジン車のみ。電動化モデルの設定など、日本導入という淡い期待を抱きながら、今後の展開を見守りたい一台だ。
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