■「先行予約8290台」が意味するものとは
ややスバルのヒストリーにアツくなってしまったが、新型レヴォーグにハナシを戻そう。
すでに価格以外のスペック、グレードなどは発表されており、ご存知の人も多いかもしれないが、今回の発表でもっとも驚くべきは2020年8月14日~10月14日まで(2カ月近く)の先行予約台数かもしれない。なんとその数8290台(月販計画台数2200台)。
もちろんプロモーションの成功もあるのだが、その最たる理由はスバルファン、そしてツーリングワゴンを待っているユーザー層にとって「レヴォーグなら間違いない」という意識が定着していることだろう。これもスバルの歴史に裏付けられたもの。
スバルがずっと大切にしているスポーティな乗り味もさることながら、新しい運転支援システム「アイサイトX」の先進安全技術の高さも大きな購買理由になるはずだ。実際に先行予約では約93%のユーザーがアイサイトX装着グレードを選んでいる。
エンジンは全車水平対向4気筒1.8L直噴ターボを搭載し、6グレードでの販売。
カラーはホワイト・パール(有料色)、アイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、ピュアレッド、クールグレーカーキ、ラピスブルーパール、そしてSTIグレード専用色としてWRブルー・パールの全8色が用意される。
また先行予約ではSTIスポーツ(EX含む)が全体の57%を占めており、走りに期待するファンが多い証だろう。「スバリスト支持率100%」も夢じゃない気がするほど。
■新世代「アイサイト」の先進機能が魅力
新開発の広角ステレオカメラと前後4つのレーダーの組み合わせで360度センシングを実現する先進安全システムの「新世代アイサイト」は全車に標準装備。
見通しの悪い交差点などでの出会い頭の衝突回避をサポートする前側方プリクラッシュブレーキや、ステアリング制御もあわせてサポートする緊急時プリクラッシュステアリングなどを搭載。
■新開発の「アイサイトX」も選べる
さらに、GT EXやGT-H EX、STIスポーツ EXの各モデルを選ぶと新開発の先進運転支援システム「アイサイトX」が装備される。
一定の条件を満たした自動車専用道路において、運転支援機能が大幅に拡張。
渋滞時(0hm/h~約50km/h)ではステアリングから手を放すことが可能になる渋滞時ハンズオフアシスト機能などが搭載されている。
■新型レヴォーグに織り込まれた「蒼きDNA」
新型レヴォーグの開発責任者である五島賢氏。10月15日の発表会ではスバル中村知美社長の次にスピーチを行ったのだが、終始一貫して感じたことは「あふれ出る自信」だった。
「新型レヴォーグは次元が違うレベルの走りになった」と述べ「この走りを一度体験すればお客様の心の導火線に火が付きます」と力強いワードでスピーチを続けたのが印象的。
新開発の1.8Lエンジン、前述のアイサイトX、そして新たにフルインナーフレーム構造を取り入れたプラットフォームを採用しており、それら技術面での大きな進化に裏付けられた発言であることは明白だ。
しかし「次元が違う」というのは非常に勇気の要るスピーチにも思える。その発言ができた最も大きな理由は五島氏スピーチの次の一説に隠されていたように思う。
「私の祖父は中島飛行機に勤め、父は富士重工、そして私はSUBARUに。航空機メーカーとしてのDNAを3代にわたり受け継いでいます。そんな私に流れる“蒼きDNA”が、この新型レヴォーグを作らせてくれたのかもしれません」。
親子3代にわたりスバルに勤務していることもあり、きっとスバルイズムを自然に幼いころから叩き込まれていたであろう五島氏。その集大成が新型レヴォーグかもしれない。
最近は北米重視という批判もあったスバルだが、新型レヴォーグの車幅が1795mmに抑えられていることなどを見るに、そんな批判を一蹴してしまう商品力に溢れている。
「最新技術はマザーマーケットの日本から導入する」という中村社長の言葉からもわかるように、少なくとも今のスバルは国内市場を軽視していないことが新型レヴォーグからはビシビシ伝わってきた。
発売開始は11月26日、スバル広報部発表の公式最新情報では「年内納車開始」となっている。
前述したようにすでに8000台超のオーダーを抱えており、早く欲しい人はディーラーに急いだほうがいいかもしれない。
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