2021年はベストセラー奪取も視野!? 通常のSR400ファイナルエディションは定番カラーの安心感
通常のSR400ファイナルエディションは定番のグラフィックパターンを採用した シンプルなダークグレー と単色のブルーを採用。特に定番のグラフィックパターンは2008年型以来でこの10年ほど見られなかっただけに人気となりそうだ。タンクには「Final Edition」のロゴも配されており、特別感も演出している。
さらに特筆すべきは、通常モデルは計画台数を5000台としており、リミテッドの1000台も含めると計6000台の生産体制を敷いているところ。これを2021年中に売りった場合には、43年目にしてSR400がベストセラーに輝くであろうことを意味している。
二輪車新聞によると2020年の小型二輪(251cc以上)販売1位はカワサキ・Z900RS/カフェの4080台。また、400ccクラス1位はカワサキ・ニンジャ400の2650台なので、2021年型のSR400が6000台売れるとすると、余裕の2冠達成になるのだ。
ヤマハは、2020年に35年のロングセラーモデルだったセロー250のファイナルエディションをリリースし、これが6200台(二輪車新聞調べ)のセールスを記録。なんと計画台数4000台の150%を達成する大ヒットとなり、2019年の2550台(二輪車新聞調べ)からも243%アップしている。SR400についても計画台数から上方に推移することも視野に入れているという情報で、ひょっとすると1万台の大台も!? もし、そこまで売れることになれば、小型二輪では近年稀に見る大ヒットモデルになるだろう。
SRといえばカスタム! 英国旧車がお手本だった
43年に渡るロングセラーとなったSRには、振り返ると二つの側面があったと言えるだろう。デビュー当初はスポーツ新時代を提唱し、軽量・スリム・コンパクトさを追求するためにビッグシングルのエンジンが選択された。SRのコンセプトモデルとも言える「ロードボンバー」が1977年の鈴鹿6耐で18位を獲得(翌年の8耐では8位)したこともあり、スポーツバイクとしての成り立ちを持っているのだ。この流れもあり、1978年のデビュー後もタイムトンネルレースなどで多くのライダーがSRでレースを楽しんでいた。
もう一つは、クラシックバイクとしての側面で、キックスタートの空冷ビッグシングルという昔ながらの装備が、時代の変化とともに希少価値を増したことで浮き彫りになった。ヤマハとしてもこれを十分意識し、当初はフロントディスクブレーキにキャストホイールも用意されていた装備を、フロントドラムブレーキとスポークホイールに変更している。これだけも十分クラシックテイスト満点だったが、1990年前後にはBSAゴールドスターやノートンマンクスイメージにカスタムすることが一大ムーブメントになっていった。
ロングセラーモデルだけに世代によってSRに対する印象は異なるが、現在でも多くのライダーに愛されている理由は、スポーツであり、昔ながらのクラッシックモデルの佇まいを持っているという二つの側面があるからに他ならない。今後もこのエッセンスを引き継いだSR第二章にぜひとも期待したい。
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