センターピラーレスのスライドドアが魅力的なカングーバン
新型カングーのバリエーションを見ていくと、乗用ワゴン仕様のカングー、商用仕様のカングーバン、乗用ハイルーフ仕様のエキスプレス、商用ハイルーフ仕様であるエキスプレスバンの4タイプが用意される。
ここで、新型カングーバンを見ていこう。カングーバンの標準仕様は全長4486×全幅1860×全高1808mm、ホイールベースは2716mm。カングーバンでは2種類の全長が用意され、シートの設定によって2、3、5名の乗車定員の仕様が設定されている。
なにより見逃せないカングーバンに独自に採用された機能が、助手席側のセンターピラーレス機構だ。ルノーがオープンセサミ(日本語では“開けゴマ”)機能は、助手席側サイドボディをセンターピラーレスとしたシステムを採用する。
同様の設定としては、日本車では軽自動車のホンダN-VANがセンターピラーレスボディ+スライドドアを採用していることが挙げられる。他にはダイハツタントの例があるが、両者では商用と常用の仕様の違いでコンセプトが明確に異なる。
リニューアルされたパワートレーン
パワートレーンは5タイプが用意され、いずれもルノーの現行ラインナップと共用となる。ガソリンエンジンは2種類で、1.3Lガソリン直列4気筒ターボ(100ps/200Nmと130ps/240Nm、前車は6速MTのみの設定)。ディーゼルは、パワーの異なる3種類の1.5Lディーゼル直列4気筒ターボ(75ps/230Nm、95ps/260Nm、115ps/270Nm)が設定されている。
トランスミッションはEDC(ダブルクラッチトランスミッション)が他のルノーモデルと同様に6速から7速へと進化、マニュアルトランスミッションは6速MTを備える。
注目の燃費(WLTP)は、カングーの乗用ワゴンはガソリン仕様:5.3L/100km(18.9km/L)、ディーゼル:6.2L/100km(16.1km/L)。
カングーバンは、ガソリン仕様:6.6~6.9L/100km(14.5~15.2km/L)、ディーゼル:4.9~5.9L/100km(16.9~20.4km/L)となっている。
EVの商用バン仕様となる「E-TECH」についても触れておくと、モーターの出力/トルクは75kW/245Nm、44kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。WLTPによる評価については、一充電航続距離:約245kmとされている。
オーソドックスなデザインだったインパネの高級感がアップ!
現行カングーのインパネはブラック基調で、いかにも商用車ベースらしいデザインだったが、新型カングーはウッド調パネルとクロームメッキの加飾パーツを組み入れることによって、高級感が増している。
アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシスト、パーキングアシスト、アクティブ・エマージェンシーブレーキといった先進のアシスト機能を操作系スイッチが配置された最新デザインのステアリングをはじめ、アナログメーターと中央に液晶モニターを組み込んだメーター類、クロームメッキで加飾された空調ダイヤル、センターコンソールに配置されたセンターディスプレイ(4.2インチと7インチが選べる)など、現行カングーから2ランクほど高級感が増している。
とはいえ、カングーらしさは忘れてはいない。とにかく収納スペースが多いのだ。発表された資料には各収納箇所の容量(L)が記されていて、その収納容量を合わせると49Lと書かれているのがおもしろい。
これまで通りの頭上空間に収納できるスペース(19.4L)のほか、ルノー・イージーライフ・ドロワーと呼ばれる引き出し式のグローブボックス(容量7L)、さらにはメーター後ろの蓋を開けるとUSB端子入りもある収納スペース(2.7L)、センターディスプレイ後ろにはちょっとしたモノが置ける滑り止め機能付きのトレイ(5L)やスマホを挟み込むホルダー(0.2L)、カップホルダー(0.75L×2)など、書ききれないほどの盛り沢山な内容だ。
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