新型カングー6月発売 フレンチMPVは日本車の脅威となるか?

大人用の3つのフルサイズシートを備える広々とした室内

全幅を1919mmに拡大したことで余裕のある室内空間を確保。後席には大人3人が座れるフルサイズシートを備えている
全幅を1919mmに拡大したことで余裕のある室内空間を確保。後席には大人3人が座れるフルサイズシートを備えている

 フロントシートはしっかりとした作りで、運転席にはランバー調整機構が加わった。両側スライドドアを開けると、後席は大人用のフルサイズシートが3つ。2/3~1/3に折りたためるベンチシートとなっており、フルフラットにもなる。

 発表された資料によれば、ショルダールームは1.48m、レッグルームは20cm、ヘッドルームは1.04mと、さすが全幅1.9mを超えるだけのことはある余裕の室内空間である。

機能が充実した新型カングーバン

新型カングーバンには前席と後席のあいだの柱がない(助手席側のみ)。スライド時の開口部は1446mm
新型カングーバンには前席と後席のあいだの柱がない(助手席側のみ)。スライド時の開口部は1446mm

 センターピラーレス機構が新型カングーバンの大きな見所だが、室内の使い勝手を高める工夫として、新たな機能として「イージー・トゥ・ロード」と呼ぶ機能を備えることも、荷物グルマとしての機能充実が図られたポイントといえる。

 たとえば、細かい点とはいえ、ドライバー側ドアは90度開くことができることも使う側としては乗り降りを容易にする工夫としてありがたい“フランス流”の気遣いといえる。

 前述の助手席側のセンターピラーレス機構を活かして、スライド時には1446mmの開口部幅を実現。ロング仕様では3548mmの室内荷室長を備え、室内容積は4.2~4.9m3(標準仕様:3.3~3.9m3)とされている。前席周り各部に用意された収納部の容量も総計60Lとされ、小物を巧みに入れられる設計を施している。

 さらに新たに採用された「イージー・インサイド・ラック」は、室内空間の有効利用として面白い。室内後部のサイド上部に2~2.5m(ロング仕様の場合)の長尺物を積める、取り外し可能なラックを設置。脚立などの道具類を30kgまで対応可能としている。

 装備については、安全面でも自動ブレーキ支援システムをはじめ、レーンキープアシスト、車両接近警告機能などのドライブアシスト機能は日産三菱とのアライアンスを活かし豊富に装備している。

 そのほか、8インチセンターディスプレイと組み合わされる「イージーリンク」と呼ばれるマルチメディア機能やハンズフリーパーキングアシストなども用意しており、2021年内には電動パーキングブレーキを追加設定する予定とのことだ。

新型ルノーカングーの日本発売はいつ?

 欧州では2021年6月から発売するとのことだが、日本導入はいつ頃になるのだろうか? 歴代モデルの日本導入を振り返ると、新型がデビューイヤーにお目見えするケースは少ない。

 ライバルである、シトロエンベルランゴ、プジョーリフターの販売が好調だけに、新型カングーで躍進を図りたいところだが、おそらく「東京モーターショー2021」が発表の舞台となり、その翌年となる2022年の日本導入とみるのが妥当だろう。

【画像ギャラリー】日本で売れるか? 全幅1.9m超 高級感が増した新型ルノーカングーの進化度を写真でチェック!

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