新型アリアは売れそうか? お薦めグレードを徹底分析!


■アリアは売れそうか? お薦めグレードは?

12.3インチ大型モニターを2つ並べた統合型インターフェースディスプレイ。空調等の操作アイコンはシステム始動時に浮かび上がる
日産アリアのグレード展開

 このように見ると、機能と価格のバランスで最も割安なのは、2WDで66kWhのB6リミテッド(660万円)だ。これを4WD化して、リチウムイオン電池も91kWhに拡大すると、価格が約130万円上乗せされてB9e-4ORCEリミテッド(790万200円)になる。

 それでもアリアのハイパワーな電気自動車の魅力を重視するユーザーは、価格差が約130万円であれば、B9e-4ORCEリミテッドがむしろ買い得と受け取るだろう。

 既存の電気自動車の登録台数を見ると、堅調に売れているのは実質的にリーフのみだ。2020年度(2020年4月から2021年3月)には、コロナ禍の中でも1か月平均で約800台を登録した。マツダMX-30・EVモデルは、2021年1月に発売され、その後の登録台数は今のところ1か月平均で50台程度に留まる。

 日本では総世帯数の約40%がマンションなどの集合住宅に住み、電気自動車の充電設備を設置しにくい。販売店や高速道路のサービスエリアにおける充電は、基本的に急速充電器を使うから、電池の寿命や耐久性を考えると自宅の普通充電も併用したい。そうなると集合住宅では電気自動車が敬遠される。

 一方、自宅に充電設備を設置しやすい一戸建ての多い地域では、公共交通機関を利用しにくい事情がある。1世帯で複数の車両を所有するから、税額や車両価格の安い軽自動車が普及している。

 そうなるとアリアのような高価格車は、マンションに住んで1世帯に1台の割合でクルマを所有するユーザーに人気が高く、電気自動車とは親和性が低い。したがって普及も進まない。

 ところがアリアの開発者は次のように述べた。「アリアでは、従来の電気自動車に比べると、リチウムイオン電池の温度管理を入念に行う。そのために都市部のお客様が販売店の急速充電器を頻繁に利用されても、従来の電気自動車に比べて劣化が生じにくい」とコメント。

■「EVは売れない」というジンクスを打ち破ることができるか?

アリアB6(2WD)は66kWhのリチウムイオン電池を採用。最高出力は160kW/30.5kgm、WLTCモード航続距離は最大で約450km

 駆動用電池が進化して、急速充電器の使用に向けた耐久性も向上してきた。このような性能の向上とそのアピールも、アリアの売れ行きを左右する。

 ほかの電気自動車の動向を見ると、レクサスUX300eバージョンLの価格が635万円だ。アリアB6リミテッドに価格が近く、動力性能も最高出力が150kW(203馬力)、最大トルクは300Nm(30.5kgm)だから同程度になる。

 しかしリチウムイオン電池の容量は、レクサスUX300eは54.4kWhに留まり、1回の充電で走行可能な距離もWLTCモードで367kmだ。アリアB6リミテッドは66kWhで450kmを走れるから、レクサスUX300eの性能を上まわる。さらにアリアでは、プロパイロット2.0も標準装着され、装備も充実するから一層割安だ。

 今後はトヨタから電気自動車のbZ4X、スバルブランドではソルテラが登場する。いずれもリチウムイオン電池を搭載しやすく、流行にも沿ったSUVスタイルだから、アリアのライバル車になるだろう。

 この厳しさを増す電気自動車の競争も視野に入れ、アリアは機能を充実させて価格は割安に抑え、多彩なグレードをそろえた。高価格車だからリーフのような売れ行きは望めないが、ほかの電気自動車に比べれば堅調に売れるのではないだろうか。 前述の急速充電器への対応も可能になれば、「電気自動車は売れない」というジンクスに終止符を打てるかもしれない。

日産アリア 主要諸元

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