26.2㎞/Lを達成した驚異の燃費性能
パワートレインは、ハイブリッドとガソリンの2種類を持つ。ガソリン車は、1.8L直4ガソリンエンジン(2ZR-FAE)を搭載。103kW(140ps)/6200rpm、170Nm/3900rpmのスペックと、燃費は14.4km/L(WLTCモード燃費)だ。ガソリン車は2WDのみとなる。
ハイブリッド車には、72kW(98ps)/5200rpm、142Nm/3600rpmの1.8L直4ガソリンエンジン(2ZR-FXE)と、フロントモーター(53kW(72ps)/163Nm)とを組み合わせる。またハイブリッド車にはE-Fourを設定し、リアモーターは5.3kW(7.2ps)/55Nmのスペックとなる。
燃費は、クラストップレベルの26.2㎞/Lを達成(ハイブリッド2WD Z、S、G)。キックスe-POWERは21.6km/L、ヴェゼルe:HEVは24.8km/Lだ。僅かな差ではあるが、THS IIの高効率が光っている。
なおE-Fourのリアサスは、他のカローラシリーズと同様のダブルウィッシュボーン式となる(2WDはトーションビーム式)が、アームの取付位置を変更して、カローラクロスの特性に合うように最適化したそうだ。
なんと税込み199万円~!!
全車速追従型レーダークルーズコントロールやレーントレーシングアシスト、ペダル踏み間違い時の急加速を抑制するプラスサポートといった先進安全技術「トヨタセーフティセンス」は、全車標準装備。税込車両価格は、ガソリン車が199万円~264万円、ハイブリッド車が259万円~319万9000円だ。
グレード間の違いは、タイヤホイールのサイズ(16インチ~18インチ)や、LEDランプ(シーケンシャルか否か)、計器盤の種類(7.0インチTFTか4.2インチTFTか)、シート地(本革+ファブリックかファブリック)、電動シート、シートヒーターなど、といったところ。
通常、セダンやハッチバックに比べて、SUVは価格が上がりがちだが、カローラクロスをここまで下げて出せるとは本当に驚かされる。企業努力の賜物であるし、日産キックスとは違い、国内生産(愛知県の高岡工場)としてきたことも大いに関係している。
ベーシックなガソリン車を好むお客様に向けてきっちりと玉を用意した上で、ハイブリッド車の燃費で、他社車を突き放す。まさに、トヨタの横綱相撲がさく裂している様相だ。
最大のライバルは、C-HR
このカローラクロスとライバルとなるモデルは、日産キックス、ホンダヴェゼル、トヨタC-HRといった、250万円~300万円レンジのコンパクトSUVだ。なかでも、カローラクロスの最大のライバルとなるのは、身内であるC-HRだろう。
かつては、SUV年間販売台数ナンバー1(2017年)にもなったC-HRだが、RAV4やハリアー、ヤリスクロスなどの登場も影響し、月間登録台数は1500台を割るほどと低迷している。C-HRが成功したのは、当時は珍しいスポーティ路線のSUVであったことが理由だが、昨今は、室内の広さや荷室の使い勝手、そして低価格といった、本来のSUVに求められる方向へと、市場が移っているように思える。
全方位にスキのないカローラクロスだが、むりやり弱点を探せば、100V(1500W)のアクセサリーコンセントと非常時給電モードが、ハイブリッド車のみにオプション選択となる点だ。7月に登場した新型アクアでは標準搭載であったので、共通させてくるかと思われたが、そうはいかなかったようだ。
しかしそんなところは、さして問題ではない。目標月産台数は4400台だという。おそらくカローラクロスは、またも「売れるSUV」になるにちがいない。
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