フルサイズピックアップ初となるハイブリッドを搭載
新型タンドラには2種類のパワートレインが用意されている。ひとつは3.5L V6ツインターボ「i-FORCE」で、最高出力は290kW(394.4ps)、最大トルクは649.44Nm(66.22kgf・m/479lb.-ft)というスペックだ。型式名はアナウンスされていないが、これはランドクルーザー300にも搭載されているトヨタの最新V6エンジン「V35A-FTS」であろう。
もうひとつは、このV6ツインターボエンジンとトランスミッションの間にあるベルハウジングに、クラッチ付きのモータージェネレーターを備えたハイブリッドユニット「i-FORCE MAX」と呼ばれるものだ。システム最高出力は325kW(443.1ps)、最大トルクは 790.44Nm (80.6kgf・m/583lb.-ft)というスペック。プリウスなどのTHS-IIとは違うメカニズムで、トヨタで初めて採用されるユニットとなる。ガソリン、ハイブリッドともに、新開発の電子制御式10速ATが組み合わせられる。
モーターアシストによるトルクの瞬発力は、オフロード走行やトレーラーのけん引などで威力を発揮する。フルサイズピックアップへのハイブリッド搭載は、昨年フルモデルチェンジしたフォードF-150に先行されているが、ハイブリッドのパイオニア的存在であるトヨタがここで存在感を示していきたいところだ。
そうなると、新型ランドクルーザー300にもこのモアパワーのユニットが将来的に搭載されるのではないかという期待も膨らむが、筆者の個人的な意見では、どちらかというと新型レクサスLXに搭載される方が自然ではないかと考える。
新型LXは5.7LのV8エンジン(先代タンドラと同じ3UR-FE)を廃止し、ランクルと同じV6ツインターボを搭載するとのことだが、そのまま同じエンジンを載せても差別化が図りにくい。i-FORCE MAXはざっくり言えばマイルドハイブリッドではあるものの、ガソリンモデルよりパワフルで緻密なマネージメントが可能であり、オフロード走行でここぞというパフォーマンスの際に威力を発揮しやすい。レクサスSUVのフラッグシップモデルを名乗るからには、そういう説得力も必要になるだろう。
従来よりも丈夫で力持ちに進化した
新型タンドラのシャシーは高張力鋼を使用し、先代モデルより大幅に剛性を高めると同時に、主要部分にアルミ素材を使用することで軽量化も図っている。荷台には新しいシート・モールデッド・コンパウンド構造(SMC)と強化アルミニウムクロスメンバーを使用し、従来よりも、衝撃によるへこみ、サビに対する保護を強化している。
サスペンションはフロントが新開発のダブルウィッシュボーン、リアは従来のリーフ式が廃止され、新たにマルチリンク式が採用された。これにより乗り心地と直進安定性、操縦安定性を向上させている。ロールステアは先代比で25%も低減されたそうだ。
ピックアップトラックで重要視される、トーイングキャパシティ(けん引能力)。新型タンドラは約5,400kg (12,000ポンド)と、先代の約4,500kg (10,000ポンド)から性能向上を果たしてきた。また、けん引する種類・大きさに応じて、2種類のモードを選択することが可能。もちろん、マルチテレインモニターやパノラマビューモニター、トレーラーバックガイダンスなどのアクセサリーも用意され、トレーラーの安全な接続や配置にも配慮されている。
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