■【渡辺陽一郎氏の評価】イチオシ「S」グレードが当面買えないのは残念
カローラクロスのメリットは実用性だ。後席の足元はヴェゼルより狭いが、後席に座る乗員の足が前席の下に収まり、大人4名が快適に乗車できる。荷室の奥行はヴェゼルを上まわる。
ノーマルエンジンは通常の走りでは静かだが、素早くアクセルペダルを踏み増したり登り坂で高回転まで回すと、ノイズも高まりやすい。
WLTCモード燃費は14.4km/Lに留まり、アイドリングストップはオプションでも装着できない。
このニーズは使い方次第で異なるが、信号待ちのアイドリングに後ろめたさを感じるユーザーも多い。オプションでは用意すべきだ。
ハイブリッドとノーマルエンジンの価格差は35万円だが、税額の違いで実質差額は27万円に縮まる(2WD・Zの場合)。
レギュラーガソリン価格が150円/Lで計算すると、約6万kmを走ると燃料代の差額で実質価格を取り戻せる。
ハイブリッドはノイズも小さく加速は滑らかだから、ノーマルエンジンよりも買い得だ。
駆動方式は用途に応じて選ぶが、2WDのリアサスペンションは車軸式のトーションビーム、ハイブリッドだけに設定される4WD(E-Four)は独立式のダブルウイッシュボーンになる。そのため4WDの乗り心地は2WDよりも快適。
カーブを曲がる時の挙動も4WDは滑らかで、後輪の接地性も2WDに比べて少し高い。しかも2WDと4WDの価格差は、足まわりの違いを含めて20万9000円だから4WDが割安だ。
タイヤの違いもある。Zの18インチは、見栄えがカッコよくて操舵感は少し機敏だが、街中を時速40km以下で走ると乗り心地が少し硬い。粗さや突き上げ感は抑えられ、コンパクトSUVでは快適だが、路上の細かなデコボコを伝える。
その点でSやGの17インチは柔軟だ。操舵した時の反応は、Zの18インチに比べて少し鈍いが、高重心のSUVには合っている。そのためSは狙い目だが、生産の開始時期がZやGよりも遅く、半年間は定額制でクルマを使うKINTO専用のグレードになる。
そのためにSは納期が遅く、2021年10月に契約しても、納車されるのは2022年4月頃だ。それでもいろいろなグレードに試乗して選びたい。
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